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冷え症なのか、いつも手は冷たいし、
暑い日が続いているにも関わらず長袖シャツでいたり、カーディガンを羽織っていたりするから、気を利かせたつもりは無いけど七部丈くらいの部屋着を引っ張り出してみた。
フワフワなら多分、ちょうどいい長さだろ。
それに学校で立ち上がらせてくれた時、
かすかに見えた手首………
あれ…傷だよな…。
しかも沢山。
…もしかしてリスカ?
あんなフワフワヘラヘラしたやつが…?
それは今日1日、密かに気になっていることだった。
でも向こうから話してこない限り、こちらからも何も言うつもりは無かった。
隠してるなら、聞かれたくないとか見られたくないとか…そういう事だろ。これみよがしに包帯巻き付けてるのより全然マシだ。
置き忘れたものは無かったかとソワソワしながら待っていると、案の定ブカブカの服を着て、おかしそうに笑うフワフワが戻ってきた。
「…フワフワじゃない」
「はい?」
「いや…髪。」
俺の隣に腰掛けた氏原が、俺に疑問の目を向ける。
濡れた髪の毛は癖が無くなり、真っ直ぐにおりていて
前髪を分けているお陰でいつもより長いまつげに覆われた目がよく見えた。
可愛いじゃなくて、かっこいいでもなくて…
「似合ってねーっすよ。いつものフワフワ頭。
ストレートのが綺麗…めちゃくちゃ綺麗です」
顔の横に張り付いた柔らかい髪の毛を耳にかけると、
軟骨から、耳たぶまでいくつもピアスホールがあった。
これも、あの手首と同じように自分でしたのだろうか。
コイツの身体を、心を、こんなにも傷付けたのは誰だろう。
さっきまで真っ赤な顔してた癖に、俺の目線に気付いた氏原は、バツの悪そうな顔をして目線を下にやる。
いいよ、そんな所も全部。全部綺麗―…。
ドサッ…
「…っん、いぁ……ッ」
穴だらけの小さな耳に、迷うことなく噛み付いた
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