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「ごちそうさまでした。…久しぶりに手作りとか食べました。ありがとうございます」
就職のため、実家からこのアパートに越してきてはや4か月。
コンビニの弁当や牛丼チェーン店で毎日の食事を済ませていた。
元からそんなに食べるほうではなかったので1日1食まともに食べればそれで十分だった。
お皿を纏めて使用感のないシンクに向かって気づく。
「…あ、洗剤とスポンジ、ないっすわ」
リビングから大きなため息が聞こえた。
「もう…この後予定はありませんね?」
「え、…はぁ」
「今日はお買い物です。泊めていただいた身で言えることではないですが、この家の生活感の無さはどうにかした方がいいです。
とりあえず必要最低限の生活用品を買いに行きます」
昔の演技の経験からなのか元の性格なのかは定かではないが、妙な迫力に押され、思わず首を縦に振った。
「30分で支度済ませてくださいね。ちょっとお部屋見させてもらいますから。」
スマホのメモページにちらっと眼をやると、レースカーテンとかシャンプーボトルとか(今は詰め替え用をそのまま使ってるんだけど)、俺の家に存在しないものがつらつらと並べられていた。
「ねぇ、そんなに必要…?」
「必要です!もう、そんなんじゃ人も呼べませんよ?!」
「…へぇ。いいンすか?俺がここに誰か連れ込んで
昨日みたいな事しても…?」
「はい?何言ってるんです……か……」
せかせかと動いていた氏原の肩をつかむと強引に振り向かせ、柔らかい唇にそっと指で触れる。
”昨日みたいなこと”
それが何を示すのか気が付いた氏原の顔は瞬く間に真っ赤に染まる。
「もっと…あれ以上のことしちゃうかもしれねーっすよ、他の人に。…いいんだ?」
唇からゆっくり指を離し、両手を氏原の耳元に持っていき、そこかしこに穴の開いた氏原のそれをふさぐ。
「そっ…それとこれとは関係な…ンッ!!」
耳からまっすぐにおろした手がやがて二つの突起を捕らえる。
さっきの迫力なんていまはもうこれっぽっちもなくて、
かわいくて色っぽくてエロチックな氏原の姿がそこにあった。ほんと押し倒したいわ、今すぐにでも。
「…これしってます?乳首あてゲーム。耳からこうやっておろしてくと当たるようになってんすよ」
「…は……ぇ?」
真っ赤になって慌てた素振りが可愛い。
冗談と知ってまたむくれる姿が可愛い。
恥ずかしそうに目をそらすところが可愛い。
たまらず吹き出した俺に、なんだかんだ笑顔を返してくれるところが可愛い。
氏原を知れば知るほど離したくなくて、
気持ちはどんどん大きくなって。
氏原が壊れてしまわぬようにと願うコトで、
俺は自分の気持ちをいつまで抑えていられるだろう。
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