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氏原side‥₂
「…ほら。氏原先生のとあんま変わんない?」
渋々持ってきてくれた中学の卒業アルバム。
僕の家にあるそれとデザインは同じでも色が違って
”平成○年度卒業記念”
記載されている年数を見て
あぁ、やっぱりまだ22歳だなって。
アラサーに足をかけた僕はそんな事を思った。
「…校長やば、3年でめっちゃ禿げてるんだけど…ww」
「え、マジすか?コイツに髪とか存在してたんすか」
1ページ目に映るのは、校舎と校長、隣のページには
教師の集合写真だった。
もちろん、僕の持っているものと全く同じ構成。
見知らぬ人もいたが、大半はよく知っている教師で
髪の量とか体型とか苗字が変わってるだとか
そんな話で盛り上がった。
「…あの氏原先生?何ふて腐れてんの?」
「別に…。なんだか僕、おっさんみたい…」
楽しさ半分、悔しさ半分。
僕の時代とは違う高木先生の時代。
時間はみんな平等に進むものだし、高木先生は
僕より3つも若い。
シワの増えた教師や立場が昇格している教師達を見ては、僕もこの時代の高木先生と
一緒に時間を過ごしてみたかったなあなんて
叶うことのない事を思ってみたりして。
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