アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
49
-
その後、残りの買い物袋の中を一通り片付け終えて
ふぅ…
と息をついた。
袋の中には自分のものよりワンサイズ小さい下着と
薄手の長袖のパジャマも入っていた。
また、何時でも泊まりにこれるように。と
週末や、時間のある時はいつでもご飯を作りに来ると
約束もしてくれた。
俺たちは別に付き合っているわけでもなければ、
ただの仕事仲間で、たまたま近所に住んでいるだけ
なのにお互いにこうして一緒に過ごす時間を求める理由は
……もう暫くの間、考えないようにしておこう。
「高木先生、あの…今日も泊まりたい…なんて、
ご迷惑でしょうか…。も、もしかして予定とか…」
ほら。
「迷惑だなんてとんでもないっすよ。是非。
…あ、俺夜はガッツリよりおつまみ派なんで、
軽めの物でお願いしますね?」
この距離感が今の俺たちの精一杯。
「はいはい、わかりました。…キッチン借りますからね」
使用感の無い小綺麗なキッチンには、朝と違って
洗剤、スポンジ、三角コーナー
鍋やフライパンにおたままで並び、すっかり品揃えが
豊富になった。
もちろんこの全てを使うのは家の主である俺じゃなくて
今、その場所に立つ華奢で小柄なあの男だ。
「酒に合うとびきりのやつ、お願いしますね」
「ふふ。お任せください」
どちらともなく目を合わせ、微笑み合うと
俺はアルバムを再び、奥の、奥へと仕舞い込んだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
49 / 448