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xxx side‥₁
運命の出会い…なんていうものも存在するんだと
ここ最近はよく思う。
4月、高木康明と言う新任教師を見て、柄にも無く
言葉を失い、固まってしまった。
写真でしか見たことが無かったけど、間違いないと直感的にそう思った。
でも写真の彼とその時の彼はまるで別人…
顔は同じなのに、瞳に光はなく
この数か月間、どんなに面白いことを言ってみてもあの子と映っている写真のように自然な笑顔が見られることもなかった。
それが、少しずつだけど、また自然な表情を見せるようになってきていた。
…あの子の実の兄と出会ってからは。
「ねぇ何でいるわけ。」
「やあねぇ。タバコ吸うときは喫煙所でしょ?だからあんたもここにいるんじゃない」
「はぁ…うっざ。いまどきタバコ吸う女なんてモテないよ。」
「…あんた本当怖いわね。周りに向ける顔と全っぜん違う。」
「あんたみたいなババアに猫かぶる意味がわかんないからね」
「っな…!!!あんたがこの学校に決まった時、物件探しまで協力してあげたの誰だと思って…」
「はいはい、その節はどうもありがとうございました。」
みんなしてこの演技に気が付かないんだからどうかしてるわ。
私も昔は本当に気づかなかったから人のことは言えないけど。
この男、相当女を泣かせてきただろうなとか本性を知ってからはずっと思ってた。
「…で?タバコ終わってまで僕の嫌味に付き合うのは何で?…ナル」
面倒くさそうに、けれど少し不安そうに
氏原幸人は私を見た。
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