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階段を一段ずつ飛ばし、1階にたどり着いた俺は
迷わずある一室に向かった。
…ちょっと息切れしてんだけど。
階段下りただけで恥ずかし……。
フゥっと大きく深呼吸をして呼吸を整え、
その部屋の前に立ち止まった。
取っ手にかかった札を見て、ニヤッと片方の
口角だけが上がるのがわかった。
”外出中”ね…。
わかりやすすぎて、思わずこぼれた笑い声。
その声に気付いた”外出中の人物”は、
カチャンと静かに入口の扉のロックを外した。
「…偉いじゃん。」
「先にこの手使ったの高木先生でしょうが…。」
扉をしめて再びロックをかけたら、
そうなるとわかっていたはずなのに
ぼんっと爆発でもしたみたいに真っ赤になった。
…ほんと可愛い。
腕を引き寄せ、真っ赤な氏原を抱き寄せた。
「んむっ…ちょ…苦しい、てば」
「あ?うるせー。さっき生殺しくらって
不機嫌なうえにムラムラしてんの。わかる?」
「そ、それ僕のせいじゃないし…ていうか高木先生…」
「ん?」
「…っくさいです」
「ウソだろ?!」
思わぬ言葉に慌てて体を離すと、
氏原はなんか怒ったような顔をしていた。
確かに夏だし。
教室にはクーラーがなくて
何もしなくても汗をかいた
臭い…くさい…クサイ…?
頭の中でその言葉がループした
氏原に…くさいって……
「…帰ろっかな……」
「あっ、いやそうじゃなくて…
えと…高木先生じゃない匂いがします…。」
「…?」
「その…香水のような……お、女の人のにおい。」
むっと口をとがらす氏原が発した言葉にまたもや驚いて
可愛い、安堵、呆れ、とかいろいろ重なって
その場にへたり込んだ。
「えええどうしましたっ!!
へ、変なこと言ってごめんなさいぃ…っ」
「変な言い方すんじゃねえよ…
汗くさいとかそういうのかと思ったし…
体臭だったらどうしようって…普通に凹んだわ……」
「そ…そうじゃなかったんだけど…ごめんなさい…」
チラっと目線だけを氏原に向けると
眉毛をハの字に下げてわたわたしててそれがもうほんとに
可愛くていじめたくなった。
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