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氏原side‥₁
4限の始まりのチャイムと同時に僕は”外出中”の札を取っ手にかけ、
中から鍵を閉めた。
暫くの間はバレたらどうしようとか、本当に体調の悪い生徒が来たら…とか
考えてびくびくしてたけど運よくこの時間帯は誰も保健室を使用したい生徒がいなかったみたいで。
時計に目をやり、少しだけ事務仕事を片付けてまた時計に目を移す。
途中トイレにこっそり行って、念のため一応…一応念のため少しだけ準備しておいたのは秘密。
そんな落ち着きのない50分間の終わりを告げる鐘が鳴った。
瞬間、心臓がドクンと跳ね上がるのを感じた。
もうすぐだ。もうすぐ…高木先生に会える!!
へ、変じゃないよな…?
壁にかかる鏡を見つめ、シャツの襟を直してみたり、
今日も元気におっぱねてる癖毛を手でグシグシと
梳いてみたり、忙しなく動いていると
遠くの方からすぱーん、すぱーんって
サンダルを引きずりながらこちらに近づく足音が聞こえた。
その音がいつもより少しだけ早いテンポで聞こえてきたから
もしかして彼も早く僕に会いたいと思ってくれているのかななんて思って
胸がきゅんとして、嬉しいような、恥ずかしいような感情に心臓の動きはさらに早まった。
扉に近づき、周りに誰もいないことを確認してドアのロックを外すと、
彼は意地悪に笑って静かに扉を開けた。
そこからの高木先生の動きは早かった。
再び鍵を閉めたと思ったら、そこにもたれかかったまま
僕を引き寄せ、苦しいくらいの勢いで強く抱きしめた。
「んむっ…ちょ…苦しい、てば」
「あ?うるせー。さっき生殺しくらって
不機嫌なうえにムラムラしてんの。わかる?」
なんかもう、完全に襲われる気しかしないような
捕食者の目をした彼は、僕の背中に回していた手を下に持っていき、スルっと腰を撫でた。
その時、布がこすれてフワっと鼻をかすめた香がいつもの高木先生の匂いじゃなくて、妙に甘ったるいバニラみたいなもので、その匂いには心当たりがあった。
「…ていうか高木先生…」
「ん?」
「…っくさいです」
「ウソだろ?!」
今までに見たこともないような、そりゃもうめちゃくちゃに驚き焦ったような顔をする高木先生に、さすがにその言い方には語弊がありすぎたかなとも思ったけど…
またあの女に触れたと思うと…なんかイラって来たから
少しだけざまあみろって思った。
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