アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
77
-
気付いたらベッドの上にいた。
…?
額にひんやりとした感覚を覚え、
ゆっくりと目を開いた。
「…こうめい……?」
「え…?……何でいんの」
「…覚えてない?ドア開けたらいきなり
倒れ込んできて、意識、ないし…からだ…熱くて……」
ベッドの脇に座り、俺の額に手を置く氏原は
眉を下げて長いまつ毛は濡れていた
「…泣いてんの?」
はっきりしない意識の中で
隣で肩を震わせるこいつを抱きしめたいと思った。
「人がどれだけ…心配したと……っ?!」
「ん…誰だ、幸人泣かせたやつ…許さね…。
もう大丈夫だから泣くの辞めな……」
柔らかい髪を指で梳き、首元に顔を埋めた。
ひんやりしてて、細くて抱きやすいし何より
「やっぱいい匂い…お前の匂い落ち着くから好き…。」
白い首筋に甘噛みをして、軽く吸って舐めてみる
「…はっ……やっぱ幸人、甘くておいし」
「……っこ、こここ、こう、めい…?」
「ん?…なんだよ」
「なんかっ……変だって!ほら、熱!熱計ろう!」
強引に押し退けられて、頭にズキリと痛みが走った。
体温計を手渡され、渋々脇に挟み込む。
音が鳴るまでの間、幸人をじっと眺めていた
なんか、顔赤いし…。コイツ熱でもあるんじゃねーの
「…幸人?」
幸人は俺から抜き取った体温計を見てため息をついた。
「やっぱり……。39.3℃って…
ちょっと買い物してくるから、おとなしく待ってて。」
そういって幸人は立ち上がった。
ふわっと幸人の甘い香りが広がり、すぐに消えてしまった。
「待って幸人…行かないでくれ…。」
どうして自分がこんなことを口走ったかはわからない
でも、このうまく回らない頭では考えることもできず、素直に我儘に、言葉を連ねる
「そばに居てほしい…。独りに、しない、で…くれっ……。」
自分の意思とは関係なく、頬に温かいものが伝った。
大きな目を更に大きくして驚く幸人を見て、あー、俺ちょっと変かもって
今ようやく思った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
77 / 448