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氏原side‥₂
家に戻る少し前、一応連絡は入れたけど
返事は無かった。
寝ちゃったかな?
起こしたらいけないし…って静かに扉を開けて
思わぬ光景に体がビクッと飛び跳ねた。
いや、もうほんとお化けでも出たのかと思った…
「…何してるの康明…。」
「……おそい。」
玄関にはベッドで横になってるはずの康明が
壁にもたれかかり、座り込んでいた。
手には先程まで僕が着ていたカーディガンが
大事そうに抱えられていて。
呼吸浅いし…。
無理して動いてばかじゃないの
って、思うのに……思うのに…
僕のこと待っててくれたんだよなぁ…。
苦しいのに、息切らせながらお出迎えとか…
「なあ俺怒ってるんだけど
…なんで真っ赤んなってるわけ」
可愛い嬉しい何これこの人こんな甘えただったっけ…
考えるほど体は熱くなるばかりで
胸の奥でキューーンっていう音が鳴った。
「え、えっと…さ、寂しい思いさせてごめんね?
ベッドに戻ろう?」
「…ん。」
のそのそと立ち上がる康明に肩を貸してあげながら
康明の寝室へ戻った。
やっぱり熱い…熱、上がってないといいけど…
寝室までの間ずっと僕の首元に鼻をすり寄せて
スンスンと匂いを嗅いでいたのは、気にしてたら
心臓が持たないと思って頑張って気付かないふりをした。
康明をベッドに座らせると、彼は僕の手に持った袋を
不思議そうに眺めていた
「これ?これは薬とか、あと食べやすそうなもの
いくつか買ってきたの」
「…薬……。」
「そう。薬飲む前に、何か口に入れようね」
小さめのプリン1つを取り出して、
蓋を開けて差し出すと、康明はいやいやと首を振った。
「…プリン食ったら薬飲むなら、いらない」
「康明…ちゃんと薬飲まなきゃ元気にならないよ?」
「やだ…わざわざその為に、甘いもん食うとか無理。」
あ〜、甘いもの好きじゃなかったのか…
この状態の康明じゃあ、到底言うことを聞くとは思えないし、薬までたどり着くのも至難の業なんだってことに
徐々に気付き出した。
んー、確かゼリーはいろんな種類のやつ買って、中には
カロリーだか糖質だかがゼロって書いてある甘味の少ないものも入ってたはず…。
仕方ない。開けちゃったプリンは後で僕が食べよう
そう思って康明の前に置いたプリンを片付けようとした
瞬間、康明が僕の手を制止した。
「…康明?えっと…プリン、嫌だったんじゃ…」
「甘いの食って薬飲まされるとか…無理、だけど…
…お前が…食わしてくれるなら……考えてやる…」
あぁ、もう…何なんだろう、この可愛い生き物は。
普段とあまりにも違いすぎるそのギャップに
僕の理性はいつまでもつのでしょうか…
顔に熱がたまるのがわかった。
いや、もう全身に。康明より熱いんじゃないかってくらい
弱った康明にリバかましたらごめんなさい…
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