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氏原side‥₂
康明の足音と、呼吸音が一歩、また一歩と近付いて
今にも触れそうなほど近くに来たところで、止まった。
僕の座るデスクに手をついて上から僕を見下げる体勢
必然的に僕はそれを見上げる事になって、ちょっと首が痛くなりそう
康明はもう片方の手で僕の頬を撫でて
その手が髪を耳にかけて、耳を親指の腹で掠められれば
ぞわりと背筋に電流が走るような感覚が襲う
「……っ、もぅ…高木せんせ…」
僕の弱い所を知ってるくせに…違うか
知ってるからこそ、あえてその部位を意図的に触ってる
「っは。その声でそー呼ばれるの久しぶりで新鮮」
その声というのはこのむせ返るほど甘ったるい
まるで僕であって僕でないようなこの声のことで
僕はこんな女の子みたいな声気持ち悪いし出したくないけど、康明はそれがいいと言ってくれる
切れ長の目を細めて、その綺麗な顔が僕止を合わせたまま
僕の頭上から降りてくる
この先を想像してトクンと胸が鳴るのを隠す事もなく
僕はそっと目を閉じた…
――でも、それは僕の想像していた部位に降り注ぐことはなく
コツンと優しく額に額をぶつけられるだけだった
「…?え…」
「…期待しすぎ。考えてることまるわかり
朝から盛んなよ?…ヘンタイ」
「、なっ……〜〜〜〜!!!」
言葉にならない声を上げながら康明を睨むと、
当の本人は面白おかしそうに僕を見て笑っていた
朝から康明の意地悪は絶好調みたい。
しばらくじとーーっと康明を見ていると、ついに観念した康明は小さくため息を付き、僕の頭に彼の大きな手を乗せた。
「悪かったって。あと…弁当ありがと
見てたら我慢できなくなって全部食っちゃった。」
…あ、気付いてくれたんだ
あの後メッセージが無いか確認したけど
既読がついたのは康明が学校に着いてからだったから
実は少し心配してた。
よかった…
「あ、の……」
「ん?あぁ、めちゃめちゃうまかった。ご馳走様な」
美味しかった?なんて質問普段から康明にご飯を
作ってるのに今更聞くのは恥ずかしくて、でも
初めて彼のために作った”お弁当”だったから気になって
それを言わなくてもわかってくれる康明の言葉に
自然と頬が緩んで少し顔が熱くなった
「よかった!!また明日からも作っていい…?」
康明は僕の頭をくしゃっと撫でて、あの意地悪じゃない
あったかい笑顔を見せてくれた
「んなの当たり前だろ?よろしく頼むわ。」
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