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氏原side‥
「あーー、もう授業終わるなー。」
ダルそうに康明が呟く。
行きたくないと、思ってくれているんだろうか。
そうだったら嬉しい。
「次終わったらお昼でしょ。」
「……んー、幸人の弁当。」
「今日はね、ピリ辛の唐揚げだよ〜。」
「…うまそ。腹減った……。」
ベッドの上に康明が胡座をかき、その上に僕が座っている状態で
康明が僕の肩に顔を埋める。
後ろから回された手は、僕のお腹を抱える形で安定してるから、たまに服の上からお腹をつままれて擽ったい。
「…幸人結構やらかいな。」
「あ、こら。ぷにぷに禁止。」
「やだ。」
「…もうご飯作ってあげない。」
「……………うぅ…。」
こういうとこ。
康明の本能に抗えないところが大好き。
それ以外も勿論大好きだけど、何ていうか…
見てて一向に飽きない。
行為が終わったあと、すぐに冷たくなる人も多いらしいけど、康明はそうじゃ無いっぽい。
丁寧に、僕についた汚れをふき取ってくれて
自分で出来るって言ってるのに、
下着から何から全て履かせてくれて。
そして残った時間はギリギリまで傍にいてくれる。
この幸せな時間が、いつまでも続けば良い。
続いて欲しい。
そんな僕が辿り着いたのが、ある考えだった。
”日増しに強くなる思いを伝えよう。”
お互いに、気付いているようで気付かないふりをしていたこの気持ちを
しっかり、意識のあるあなたの前で、声に出して。
幸音の話を聞いてからの、この決断は
すごく勇気の要るものだった。
もう、人を好きになってはいけないんだと
康明は何年もその気持ちに蓋をしてきたから。
でも、その何重にも鍵をかけられた蓋を開けてあげるのは僕でありたい。
他の誰かに取られたくないと思ってしまうのも本音で。
もう、あと一歩のところにいるんだ。
僕が、康明を救ってあげる。
僕にしかできない。
だってこんなにも想ってくれている。
自信があったんだ。
伝える日はもう決めてある。
今週の日曜日、康明から貰った彼の一日。
この日は僕の誕生日なんだ。
本人に言う気はないけど。
だって、無理に気遣わせたくない。
こんな風に自信満々に告白する!と意気込んでいるけれど
少なからず不安は付き物なんだから。
もし、これで最後になってしまったとして
最後の日はいつも通りに康明と笑顔で過ごしたいから。
僕の誕生日だと言えば、きっと康明は色々してくれる。
例えば、ディナーの予約やプレゼント……だけど、
そんなものは要らないんだ。
欲しいのは、康明との幸せなひととき。
普段の週末と変わりない、目を開くと康明が隣にいる
心があったかくなる瞬間。
その、最高のプレゼントを僕にくれるか否かは
康明次第。
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