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氏原side‥₄
心ちゃんに連れて来られたお店は
リーズナブルなのにデザインに拘って、オムライスとナポリタンをメインにした可愛らしいレストランだった。
周りを見渡せば、女の子同士やカップルが埋め尽くしている。
これじゃ流石に康明と一緒に行くのは恥ずかしいし…
こんな所じゃどこからどう見ても――…。
「うちらカップルに見られちゃうね!」
ですよねー。しかも僕が危ない人だと思われるやつ。
「なーんて!冗談〜っ」
「ちょっと冗談でも辞めてよ…僕犯罪者にはなりたくないよ…。」
「いや、ウチだってそんな子供っぽくはないでしょ?」
まぁ、たしかに。
心ちゃんは年齢の割に大人びた顔をしていて
服装も黒系統でまとめ上げているからとても高1には見えない。
でも、だからって、隣にいるのアラサーに足掛けた男だけど。
そんなことはお構い無しの心ちゃんは、メニューに見向きもせず、本人曰くここに来たら必ず食べなきゃいけないもの……らしいホワイトソースのオムライスを2つ注文した。
「…そういえばさ、ゆきちゃんっていくつなの?」
「え?あー…明日で26かなぁ。」
「うそーー!!見えない見えない!やば!
っていうか明日誕生日?!言ってよ!おめでとー!」
口元まで運んで来ていたスプーンをお皿に戻して
ご丁寧に拍手までしてくれる。
ほんと単純だし純粋だし見てて面白い。
「この歳になると嬉しくもないよ〜?」
もぐもぐとオムライスを口に運びながら応える。
あ、でもこれ本当に美味しい。
来るのは難しくても、何とか作ってあげられるかも…。
「えー、じゃあさ明日は?もう予定あるー?」
「ふっふっふ〜。明日は先約がいるんだ〜
…………って、あ!」
そういえば、スマホ!
康明もそろそろ一回は起きてる時間!
慌ててスマホを開く。
そこにはやっぱり康明からメッセージが届いていた。
”はよ。わり。夜予定あるから食えねー”
雷に打たれた気分だった。
康明…うそぉ…………。
康明に予定ある事なんて今まで無かったじゃん…(失礼)
明日はあけてくれてるの知ってるよ?何回も確認したもん。
でも今日も会いたかったああぁぁ〜!!
思わずテーブルに頭をこすりつける。
そんな僕を見てあわあわと焦り出すのは他でもない、心ちゃんだ。
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