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店から家までは、歩いて20分もかからない。
アルコールと、幸人の甘い香りに包まれて
のんびりと歩いて二人の家を目指した。
「あ、悪い幸人。コンビニ寄っていい?」
「いいよ?どうかした?」
「あー…タバコ終わった。」
少し考え込んだ幸人は、顔を上げて微笑んだ。
「それなら僕の家、そのまま来る?
カートンで買ったからまだ半分以上残ってるし!」
そうだった。
幸人の家には俺の私物が何から何まで揃っている。
着替えも、タバコも、何もかも。
まるで共に暮らしているかのように。
そして勿論、俺の家にも幸人の物がたくさん置いてある。
「そうだな、じゃあいいか。」
「ん。早く帰って、のんびりしよ?
1日中誰かと過ごすのは気を遣うから苦手なんだ…。」
ふぁ…と欠伸をする幸人は、自分の言葉の矛盾に
気が付かないのだろうか。
「それなら俺、帰るけど?
苦手なんだろ。人と居るの。」
ちらりと横目で幸人を見ると
え?!とか言って大袈裟に驚いている。
いや、むしろこっちが驚きたいくらいなんだけど。
俺今まで幸人と1日中一緒にいたこと、何度もあったぞ。
その度に疲れさせていたなんて気が付かなかった…
「こ、康明はいいの!康明は一緒のほうが…落ち着くし…。」
「はぁ?なんだそら。意味わかんねー。」
無意識にニヤける口元を覆うように手で隠し、
歩くスピードを早めれば
後ろから小走りでついてくる足音が聞こえた。
土曜の夜ということもあり、遠くの方では
賑やかな若者たちの声が聞こえる。
けれど、人の姿は見えない。
家が見えてくる頃には、辺りは静寂に包まれていた。
「なぁ、幸人……キスしていい?」
「は?!ちょ、ここで?………もう家着くよ…?」
「外だから良いんじゃねえかよ。」
イケナイ事をしているみたいで良いじゃねえか。
誰かに見られるかもしれないというスリルを味わいながら
「…………っん、…ふぁ……ぁ…。」
仕方無くといった表情で唇を突き出してきた幸人に
容赦なくかぶり付いて、強引に唇を割って入った舌で
口内をかき回した。
「声出すなよ…。周りに聞こえんぞ。」
ここは、外だ。
どこで誰に出会うかも分からない。
俺達と同じマンションの住人が、もし窓を開ければ
すぐに目に入る位置にいる。
これ以上無い興奮が体中をかけ巡る。
ちょうど目に入った草むらに幸人を連れ込もうとしたら
流石にアウトだから!って真っ赤な顔した幸人に
お叱りを受けてしまった。
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