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氏原side‥
誰もいない化学室に無機質な電動音が響く。
どこかに行ってしまった康明。
独り取り残された僕。
機械による強制的な気持ち良さが虚しくて涙が止まらない。
これが生理的なものなのか、別の感情が入り混じったものなのかはわからないけど、わからないということは多分、両方の意味が含まれているんだろう。
ここまでされて、ようやくこころちゃんに言われた言葉の意味に気付いた。“何がいけなかったのか”。
ここ数日康明の元気がなかったらしいその原因は
僕が、康明に対して他の男の人の話ばかりをしていた事だ。
別に僕はRickyに対して恋愛感情のようなものを抱いていたわけではない。
それは全くないと断言できる。
僕からしたら雲の上の人間だから。
単なるファンである他ない。
でも、康明にとってRickyは身近な人物…友達だ。
もちろん彼の曲を聴いているところを見れば少なからず彼のことをファンとしての目線でも見ているのかもしれない。
でも康明からすれば、Rickyは雲の上の存在なんかじゃない。
かつては同じ教室で同じことを学び、同じ部室で同じ曲を合奏した仲だ。
そんな康明の“友達”の事を好きだの何だの言っていたら
そりゃあ康明だっていい気はしない。
それを気づいてあげられなかった僕が、今のこの現状を作り出したという事だ。
あぁ、僕は何て事をしてしまったんだろう。
そこまでの考えに至るまで、かなりの時間を要した。
何故なら僕の考えを遮るように容赦なく襲ってくる痛みにも似た快感があるからだ。
体をよじって止め処ない快感から逃れようとするが、それは逆に、機械と触れる場所が変わるだけで、
そこから新たな快感を生み出すだけだった。
たちが悪いのは、この竿にはめられた治療器で、微弱な電磁波を送り込まれていると思うと、強さをランダムに設定されているのか突然椅子から転げ落ちそうなほどの刺激が走る。
初めは痛みに歯を食いしばっていたのに、慣れてくるとそれがくすぐったいような、痛いような、でもやっぱり気持ちよすぎる感覚に変わり、必死に声を抑えて唇を噛んだ。
康明が帰ってきてくれるまで、こうして耐え続けることしかできない。
Rickyの歌う声が、どこか遠くで聴こえる気がする。
でもその綺麗な声は、僕の声とガタガタと震える椅子の脚の音に邪魔されて殆ど聞こえない。
ナカを蠢くバイブが前立腺を直に刺激し、耐えきれなくてついに熱を吐き出した。
それを皮切りに絶頂は止まらなくなる。
いくつもの機械に犯され、何度も何度もイって
ベタベタの顔はもう涙なのか汗なのか唾液なのかわからない。
とにかく、辛くて苦しくて
それなのに強制的に気持ちよくされて
心臓がはちきれそうに締め付けられる。
「もうやだ…やだよ、ごめ…っん、なさ……。
康明…康明……はっ、はや…く…帰ってきてぇ…ぅ……」
僕以外誰もいないこの広い部屋で
僕の弱々しい声なんか康明に届く訳がない。
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