アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
277
-
氏原side‥₁
あれからどのくらいの時間がたっただろう。
僕の身体はもう壊れたロボットのようにビクビクと痙攣し続けている。
どんなに助けを求めても、康明が来てくれることは無かった。
遠くで誰かが歌う声が聞こえて、聞こえなくなってからも迎えに来てくれることは無かった。
足音一つ聞こえない。
もう、涙も声も出ない。
それだけ絞り出してしまったから。
床は僕の精液や、正体もわからない透明な体液が大量にまき散らされ、とても悲惨な状態だ。
僕は声にならない声で、ただうわごとのように恋人の名前を呟き続けた。
……スパ-ン、スパーン………
その時、聞きなれた足音が階段を上ってくる音がした。
その途端、もうろうとしていた意識が覚醒し、枯れ果てたと思った涙が再び溢れ出す。
ガチャガチャと鍵を差し込む音が聞こえて、僕は溢れる涙を拭く事も出来ないまま、扉が開くのを待った。
この教室の鍵を持っているのはただ一人だ。
「…いい子にしてた?」
あぁ、やっと
戻ってきてくれた。
解放される。
この苦しみから。
「康明……っ、ごめ…ごめんなさ……っぁ…。」
そして康明は僕の縛られている椅子の真下を見て固まった。
そこに散らかっている存在は言い訳なんてしようのない生々しいもので、僕は恥ずかしさのあまり声をあげて泣いた。
「や、やだあ…みない、で……っう、うえぇ…ん。」
「バイブそんなに気持ちよかった?」
どことなく暗い表情を見せる康明が複数の機械のスイッチを切りながら僕に問いかける。
気持ち良い、気持ちよくないの話ならば、気持ちよかった。
だってこれはその為の道具なんだから。
だけどそうじゃない。
僕が求めているもの、僕が本当に気持ち良いと感じることができるのは
「気持ち良くない……。康明じゃなきゃ、全然…。
ただ辛いだけだよ、悲しいだけ…。」
「…そうか。」
僕にとって、こういう行為をしたいと思うのも、抱きしめたいと思うのもキスしたいと思うのも、機械でもRickyでもなく、康明なんだ。
僕が恋をしているのはあなた一人だけなんだよ。
そう伝えたいのに、涙があふれて嗚咽が邪魔をして思うように言葉を発することができない。
でも、それをわかってくれる康明は、僕に問いかけた。
言葉がいるものじゃない、首を縦か横に振るだけで済む簡単な問いかけ。
「幸人は、俺の事が好き?」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
279 / 448