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逃れたい②
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「うっ、はぁ……あぁ、んっ」
「こっち向いて、ナオ」
激しく揺さぶられる身体。
殆ど慣らさないで後孔に性器を突っ込まれた為、結合部は滑りが悪く、苦しそうに嫌な音を立てていた。
それなのにゆるりと首をもたげている自分の熱がどうしようもなく卑しい。
イタリアンレストランのトイレの個室で、男二人がスーツをしわくちゃにしてセックスをしているこの状況に俺は、バレてしまう背徳感と虚無感で、今にも身を引き裂いて死にたい気分だった。
「やだ、本当に…離して……」
「離したら逃げるでしょ」
縋るように後ろを向いて、腰を掴む三好の腕に触れようとすると、ガツンと強く奥を突かれる。
全身を駆け抜けていく刺激に、背中を反らせて首をいやいやと振った。
「っあ?!や、らぁ……!んんっ!!」
「嫌じゃないでしょ、こんなにトロトロにさせておいて」
後ろから手を回し、先走りで溢れる性器に触れられる。
ヌチャヌチャと先端や鈴口に塗り広げられ、緩く扱き上げれば太腿が微かに震えてくる。
いつ誰が入ってくるかも分からないこの環境なのに、俺の嬌声は意と反してさらに高く大きくなっていく。
「はぁ…あっ、んっ!んぅっ…も、苦、しっ……」
「まだだよ、もっとトんじゃうナオが見たい」
「ふざ、け…なっ」
どうしてそんなに怒っているのなどと聞ける様子でも無く、荒々しく欲をぶつけてくるのをただ受け止めるしかなかった。
まぁでも、自分自身でも何故彼がこうなっているのかを薄々分かってはいた。
数ヶ月も金銭的な援助をしていた年下の男に、彼氏が出来たからハイおしまいと言われれば腹は立つだろう。
それに、自分で言うのも何だが、彼は俺のことを心底盲愛していた。例え、表す形は違ったとしても。
「……ナオ、何考えてんの」
「いっ…!な、にも考えてなっ……」
髪の毛を掴まれて、顔を無理矢理後ろに向かされる。
腰の律動がますます早まり、パンパンと肌と肌がぶつかり合う音と、すっかり蕩けてしまった後孔から漏れ出る淫猥な粘着音が、この空間に反響した。
「何も考えないで、俺のことだけ考えて……」
「ンッ、ンンッ……はぁっ…」
「どこにも行かないで………」
彼の悲痛な叫びに俺は何も言う事が出来ず、それはやがて静かに無音へと姿を変えた。
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