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甘い君④
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指の間で糸を引く精液を見せつけられ、居た堪れなくなり顔を覆う。
甘いキスをしつこいくらいにしてくると思ったら、突然耳の中に舌を差し込まれた。
ズルズルと這いずり回るそれを引き剥がそうと両手を外したら、待ってましたと言わんばかりに後ろ手に縫い止められ、また自分の欲がありありと目に映った。
「溜まってたの?」
「………………」
答えないでいると、真堂がキャンディーをひと舐めするかのように手のひらに溜まった精液を舌で掬いとったではないか。
理解できない状況なのに、目が離せない。
赤い舌にまとわりつく透明がかった白が、とても淫靡な存在に見え、自分が出したものだとは思いたくなかった。
「………最悪だ…」
「顔真っ赤だよ、かわいー」
「…………」
「ん?どうしたの?」
「………おい」
赤面しているのは恥ずかしさも勿論あるが、他にも理由があった。
そう、先程から真堂の勃ち上がった性器が腰に当たっているのである。
わざとに違いないが、当たっていることを言ったら必ず変な方向に持っていかれることを俺は予感していた。
「…離せよ、授業始まる」
「えー?不良のくせに真面目だね」
「黙れ」
重い腰を上げ、太腿あたりに引っかかったままの下着を履いたその瞬間。
下から勢いよく引っ張られ、運悪く真堂の上に尻もちをついてしまった。
「……っ?!」
薄い布一枚しか纏っていないタイミングで、後孔に真下から固く熱いモノが突き立てられた。
それだけでゾクゾクと鳥肌が立つのが悔しい。
後ろで得た快感が、俺はあまりに多かったからなのだろう。
この後に続くことを考えたら、つい相手のことを忘れて胸がキュッと高鳴った。
「ぁっ……ゴリゴリしなっ…で」
腰を掴まれ、下からガツガツ突き上げられる。
一度止んだ下腹部の熱が再び生まれてきて、自分の卑しさがつくづく嫌になる。
「ぅ、は……んぁっ……」
「また感じてんの?本当に変態だね、ナオは」
「…るせっ……死ね……っ!」
「はは、その顔最高」
ヘラヘラと何がそんなに可笑しいのか。
唇を噛み締めて、揺さぶられる身体に意識を戻しかけたその時、予鈴のチャイムが鳴った。
名残惜しそうにため息をつきながらゆっくり身体を離していく真堂を見て、それが終わりを告げているのだと分かった。
「これからなのに空気読めないなぁ」
大きく伸びをしながらぶつくさ文句を言う彼の下半身につい目がいってしまったが、もうすっかり元の状態に戻っていた。
なんというか直情的というか、本能のままに生きている感じがする。
俺はなかなか熱が冷めないというのに。
しかめっ面になりながらズボンを上げてベルトを締める。
乱れた服を直して立ち上がると、髪の毛をくしゃりと梳かれ、抱き締められた。
「ナオは全部、ぜーんぶ甘いね」
くすぐるような、そんな声で呟いた。
甘いのは、お前だってそうだろ。
その、時折見せる優しい表情や行動がいつも俺の心を困惑させる。
お互いが思う『甘い君』の像は、これからもずっと交わることは無いのだろう。
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