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憎い、醜い①
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どんなにうるさい喧騒の中でも、授業中の静まり返る空間の中でも、場所や状況を問わず、ぞわりと凍てつく視線を感じる時がある。
それは大抵真堂から発せられたもので、その視線を感じたが最後。俺に拒否権は無い。
意味は『多目的教室に来い』。ただそれだけ。
やることもただ一つ。
「ン……ぁっ…」
「さっき女の子と喋ってたよね?何で?」
「…ペンを拾ってくれたから……礼を言っただ、け…っ」
「僕以外の子と喋っていいと思ってんの?それともわざと?」
「ち、違っ……んんっ」
手首をネクタイで拘束されたまま、無遠慮に性器を擦り上げられる。
自由の利かないこの身では、抵抗など出来ない。
それをいいことにしつこく攻めてくる真堂が死ぬほど憎いが、身体は確かに反応し、微かだが色付き始めていた。
別に女の子と仲良く話していた訳でもない。
落としたものを拾ってもらい、礼を言う。日常に溢れていてごく当たり前の光景だ。
たったそれっぽっちの事でさえ、真堂は酷く嫉妬する。
彼に0も100も無いのだ。情の赴くままに生きているから。
「アイツ、絶対にナオのこと狙ってる」
「は、そんなわけねーだろ……」
「そういう目で見てた」
そういう目で見ているのはお前の方だろう、と嘆きたい気持ちを抑えて、息を呑み込んだ。
乾いた摩擦音が徐々に、耳を塞ぎたくなるほど甘美な音へと変わっていく。
「…ァ、も…いや……っ」
「え?」
「嫌だっ……!」
くだらない嫉妬心や、耐えることない束縛に対して。
毎日毎日、それを性欲として吐き出されて、俺の心は至極戸惑っていた。
やっと、三好から解放されたと思っていたのに──
「どうして?僕に触られることが嫌なの?」
「………」
黙って頷くと、真堂は手を止めて考える素振りを見せた。
「……これ以外に気持ちの伝え方が分からない」
「…は?」
「普通に愛すってなに?キスして、抱きしめて、セックスすること?
それだけじゃ、生ぬるいでしょ。僕の気持ちはそんなんじゃ表せないよ。もっと、もっと……」
指の腹で先端を執拗に押しつぶし爪を立てられた瞬間に、背中が弓なりに反るほどの痛みと悦びが駆け巡った。
手首を締めるネクタイが窮屈そうに軋む。
「あぁっ!!ひ、ンッ……」
「醜くて、汚くて、グチャグチャなんだ」
そう吐き捨てた真堂は、今まで見たことが無いほどに苦しそうな表情をしていた。
同時に内腿が痙攣し、何度か脈打った後に吐精した俺は、彼の表情が脳裏に焼き付いたまま意識を手放した。
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