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憎い、醜い②
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「…顔見せて」
「ゃ、んぅっ……」
顎の下をくすぐるように優しく撫でられ、猫みたいに甲高い声を漏らしてしまう。
そんな自分を受け入れたくなくて、目を固く閉じてシャットダウンした。
「そういう顔をセフレにも見せたのかと思うとイライラする」
「なっ…」
何をそんなに苛立っているのか。
訳が分からない、と纏められた両手で真堂の胸を押した。
「……あんまり僕を嫉妬させないで」
「お前が勝手に嫉妬してるだけだろっ…」
「何?僕のせいにするの?」
肩を掴まれ、窓側まで連れて行かれる。
窓に映る自分は、衣服が乱れており上気して汗ばんだ肌に髪の毛が張り付いていた。
臙脂色のネクタイが、それこそSMプレイで使われる鞭や首輪の類のような、異質で卑猥なものに見えてくる。
「こんな格好を見せつけてさ、自分に罪は無いって言えるの?誘ってるとしか思えないんだけど」
「誘ってねーよ!それに、俺は女は好きにならないって……」
「男とか女とか関係ないよ、君はいつだって人を惑わす」
無防備な首筋にキスをされ、舌が這った。
弱いところを往復する、ざらりとした舌の感触に粟立つばかりだ。
「はぁ、んっ…」
「君は僕だけのものだよ」
「…ぅ、わっ?!」
視界が途端に変わる。
肩を軽く押され、両腕の自由を奪われているために呆気なく地面に尻もちをついた。
振り回されてばかりだ。それはあまりに目まぐるしくて、理解が追いつかない。
立ち上がろうと脚に力を入れた瞬間、後頭部の髪の毛を掴まれて上を向かされた。
痛みに顔を顰めていると、目の前でジジ…とチャックを下げる音が聞こえた。
まさか、と思い薄目で見やると、彼は制服のズボンのチャックを下げていた。布を押し上げて主張するそれが嫌でも目に入る。
「支配欲を満たすためには、これが良いよね」
その言葉の意味を、すぐに理解してしまった。
懇願するように首を振るが、逆にそれが彼の加虐心を駆り立てたようで。
「駄目だよ、お仕置き。今の僕はすごく機嫌が悪いんだ。
普段はこんなことでイライラしないんだけど……君のことになると、どうもね」
「なんで…」
「なんで?さっき言ったでしょ。
僕の愛情は世間一般の言う愛情とは違うんだよ、真っ黒で汚いんだ」
「知るかよそんなの…っ」
歯向かわずにはいられない。余りに一方的だからだ。
しかし真堂はそんな俺の言葉に聞く耳さえ持たず、近くにあった机に軽く体を預け、上履きをつま先に引っ掛けてプラプラと弄んでいた。
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