アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
リアル②
-
心臓が激しく脈打ち、嫌な汗が全身に浮かぶ。
言いたいことは幾らでもあるのに、唇ははくはくと動いて浅い呼吸を繰り返すだけ。
「はは、びっくりしてんの?」
当たり前だろ。
そんな一言でさえ出てこない。
へらへらと笑みを浮かべる三好を睨んだ。それが今俺が出来る精一杯の抵抗だった。
「酷いじゃん、電話もメールも無視するなんて」
「……っ」
「あれ、口聞けなくなっちゃった?」
「………ふざけんな」
やっと振り絞って出たのは、虚勢を張る言葉で。
触れてくる手を叩き除けるが、恐怖はなかなか拭えない。震える身体をどうにか鎮めたくて、深呼吸をした。
ハーッ、ハーッと息が漏れるだけで酸素が取り込めず苦しむ俺を、相変わらず三好は楽しそうに見つめている。
「やっぱり、ナオのそういう顔大好きだわ」
と言って乾いた唇を押し当ててきた。
嫌だ、嫌だ。
皮膚が切れて血が出るほどゴシゴシと拭う。
「触んな……!」
「えー何、ちょっと会わないだけでそんな抵抗する?」
いつ俺がお前をすんなり受け入れた?
それに、この状況だ。嫌悪なり恐怖なりを全面に出すのが普通だろう。
「何でお前が…ここにいるんだよ……」
「ナオに会いたくて」
「それなら……っ」
それならそう言えばいいだろう、と言いたい所だったが、俺から関係を終わらせたいと一方的に告げた上に、三好とのあらゆる連絡手段を完全に絶っていた。
そう出来ない環境にしたのは、紛れもなく自分だっだ。
「それなら、何?俺はどうすれば良かったの?
ナオに確実に会うにはこれ以外方法が無かったんだよ。
それとも、こんな事しなくてもナオは会ってくれたの?」
後悔や後から湧いて出てくる自己嫌悪、自責の念ばかりは行き場が無いということを改めて知る。
ずっと自分の心の中でぐるぐると渦巻いて、答えの出ない平行線を辿るのだ。
「……出てけよ、俺はお前に会いたくなかったし、話すことなんてない」
「…………」
「…おい」
「……彼氏が出来たから?」
その言葉に、俯いていた顔を勢いよく上げると、三好が悲痛そうに顔を歪めているのが分かった。
「違う。元からお前とは……」
そう言いかけた時、ワイシャツのボタンに手を伸ばしてくるのが見え、
『いや』と消え入りそうな声で懇願したが、荒々しい三好のキスでそれは虚しくも掻き消されてしまった。
侵入してくる舌に応じないでいると、舌を強く吸われ角度を変えて更に深く攻められる。
くぐもった声が上がり、飲み込めない唾液が顎を伝った、
「ん、ふぅ……っ、ぃや……ンンッ」
「久しぶりだからかな?ナオの声がめちゃくちゃクるよ」
三好が俺の上に跨るような体勢で、既に硬さを持ち始めた股間を、ゴリゴリと押し付けてきた。
意味わかんねえ、何でもう勃ってるんだよ……
「ン、やめ……っ!」
「何これ」
素肌を撫で回していた手がピタリと止む。
そして、ヒヤリとする三好の声。
「これ、その『彼氏』に付けられたの?」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
22 / 30