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アルスマグナ 青×赤
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奏side
ある日、風紀委員会で遅くなり放課後の教室に荷物を取りに行った時のこと。
中に人影を見つけて、なんとなく立ち止まる。
居るのは、アキラと違うクラスの女子だった。
「わ、私!アキラくんのことが好きです!つっ付き合ってくださいっ!」
告白されていた。
ア「ごめん・・・気持ちは嬉しいけど、君とは付き合えない。」
「・・・わかった。ありがとう」
振ったんだ・・・。良かった。
・・・ん?俺は今「良かった」と思ったのか?どうして俺がアキラが告白を断ったことに良かったなんて思わなくちゃいけないんだ?
・・・まさか・・・アキラが好き?いや、それは有り得ない。有り得るはずがないんだ。俺の中でのアキラは「うるさくて面倒くさいが、どこか憎めない奴」だ。
そんなことあるわけがない。
じゃあ、何故良かったなんて思ったんだろう。
その日は、ずっとその事を考えていた。部活のダンスもどこか上の空で、感が良い先生に「何か悩み事でもあるのか?」と聞かれてしまったので、曖昧にその場をやり過ごす。家に帰っても考え続けて、なのに出た答えは、「分からない」だった。
その日からずっとその事が頭の何処かに引っかかっていて、少し意識してしまうようになった。
そして、ライブ前日のリハーサルの時、アキラの笑顔を見てはっきりと分かってしまった。
俺はアキラが好きだ。
自覚してしまってからは、アキラの仕草一つ一つにも感情が大きく動いていった。笑っている顔を見ると心が温かくなるし、悲しそうな顔を見ると心が締め付けられるように痛む。
忘れようとしても忘れられなくなってしまった。
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