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僕が良くないっ!
レンとはふざけながらキスまでは許していた。
けれど流石に最後の一戦は越えたくない。
僕にとってレンは弟みたいな存在。
可愛がり過ぎた自覚はあったけど、それはあくまで親愛だ。
「ユウマ……好き」
熱っぽい眼差しを向けないでほしい!
僕の理性まで吹っ飛びそうになる。
けれど色事に慣れたレンは、男の扱いを良く知っていた。
キスをしながら服の中に手を入れて、背中や胸を撫でてくる。
温かく華奢な手で触れられると、息が上がってしまう。
「ユウマはオレのこと、キライ?」
「いや、好きだし大事だけど…。僕はイザヤの物だし……」
眼を逸らしながら、ボソボソと言うのは男らしくないとは思う。
けれどレンを直視していたら、陥落するのは時間の問題だ。
「今はケイトいないし、いいじゃん。二人だけの秘密にしようよ」
欲情に満ちた眼でイタズラっぽく微笑む姿は、本当に小悪魔だな。
背中に羽が、お尻には尻尾が生えているように見える。
「でも…」
「シィ~」
レンは僕の唇に人差し指を当て、ニッコリ微笑む。
そして改めてキスから始めた。
軽く触れ合うだけのものから、深く重なり合い、舌を絡ませ合うほど濃厚なものへと変わっていく。
「んむっ…レ、ン」
部屋の中に淫靡な水音が響く。
ダメだと思っているのに、頭の芯が痺れてきた。
やっぱりラバーの名は伊達じゃない。
実力も伴っているから恐ろしい。
「ユウマ……好きっ。大好き…!」
レンの頬が紅潮し、色気が増していく。
…完全にマズイ。
レンのペースに引き込まれている。
きつく拒絶しなければいけないのに、彼の悲しむ顔が見たくないという兄心が、それを邪魔してしまう。
しかもだんだんその気になってしまう自分が悲しい…。
レンは可愛い。
本当に心からそう思うからこそ、はね除けられない。
お互いズボン越しに欲望に熱を持ち始めているのが、触れている部分から分かる。
…まあ、イザヤにバレなければ良いかな?
レンとキスするのは気持ち良いし、レンがどんなふうに抱かれてくれるのか、男として興味はある。
「レン…」
僕はレンの上着に手をかけ、肌に触れようとした。
「―何をしている?」
「うわっ!」
「わっ!」
ベシッ
「………」
「…ごっゴメン。レン…」
「………………」
え~、今の状況を説明します。
突然イザヤに声をかけられ、驚いた僕は思わず膝に乗っていたレンを、床に投げ付けてしまいました。
―終了。
…レンは床に突っ伏したまま、微動だにしなかった。
イザヤも人形のように表情を固めている。
「あっははは…」
僕は壊れた笑いを浮かべるしかなかった。
「…報告は以上です。多分、近日中には設計図を手に入れられると思います」
イザヤに移動するよう言われて、僕は彼の部屋で報告をした。
だがイザヤは無表情のまま、じっと僕を見ているだけ。
…生き地獄だ。
心臓が嫌な音を立てている。
これが心の悲鳴というヤツだろうか?
あの後、レンは俯いたまま立ち上がり、何も言わずにリビングから出て行ってしまった。
その背中からは不機嫌オーラが立ち上っていた。
…明日、顔を合わせるのが怖いな。
「でっでは僕はこれで」
重い空気に耐え切れず、僕は踵を返した。
「テンパランスに報告するつもりか?」
「デスから報告してくれるなら、僕はしませんが」
昨夜のことを言われているのは分かっていたので、意味ありげに微笑む。
「…なら報告しなくてもいい」
「了解です。…このまま部屋に戻ってもいいですよね?」
流石に今日は一人でゆっくり眠りたい。
しかしイザヤは真っ直ぐに僕を見つめてくる。
「ラバーの所に行くつもりか?」
「行きませんよ。もうそんな気は綺麗さっぱり失せました」
今はもう寝たいだけ。
肉体的にも精神的にも疲れがピークになっている。
正直に真顔で言うと、イザヤは溜息をつきながらメガネの位置を直した。
…微妙に不機嫌な仕草だ。
「言っておきますが、ラバーと一線を越えたことはありませんからね」
「ではさっきのは?」
「そっそれはちょっと雰囲気につられたと言いますか…。ラバーもストレスが溜まっているみたいですからね。それが性欲となって、発散したかったんでしょう」
「アイツは本当に好き者だな」
いや、そういうふうに教育したのはアナタでしょーが。
…しかし反論するとますます怒らせるだけなので、僕は精一杯微笑んだ。
「でもまあもうちょっとで仕事も終わりそうですし、後少しの辛抱ですから!」
「どこを見ながら力説している?」
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