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俺はご主人様の手によって綺麗に分解されて、パーツごとに分けられたまま風呂場の手前で降ろされた。
開け放たれた浴室の扉の間から、持っていかれた身体の一部が洗浄されているのが見える。
ご主人様の配慮により、洗われている自分の姿を確認するには丁度良い位置にわざわざ首が置いてあるのだが、見ていること以外特に何も出来ないので風呂場のドアの隙間からご主人様の後ろ姿を眺めていた。
ご主人様は今は俺の下半身の洗浄に勤しんでいる。
こうしてきちんと手入れしてもらえるのは道具としては嬉しい限りで、とても大切にされているなと改めて実感するのだった。
ご主人様はなにやらローションを入れていた場所よりも自身を突っ込んでいた部分を重点的に洗っている。
ローションを入れる為の部分に洗い残しがあると故障の原因になるため、丁寧に洗って欲しいと思っていたところ、そちらも念入りに洗い始めた。
身体の洗浄が済むと、次は取り外してあった顔の皮を洗うようだ。
「皮」とは機体の表面を覆っている人工皮膚のことだ。
この人工皮膚、現在では技術の進歩により常に人肌に近い温度を保つような作りになっている。
セクサロイドまたはアンドロイドには、より人に近くなるようにこの皮が機械部分の上に被せてある。
ちなみに、アンドロイドの首から上を洗浄する為には、一度顔の皮を取り外す必要がある。
なので実は、今の俺はかなりグロテスクな見た目の生首と化していた。
見た目はどれほど人に近くとも、顔の皮を取り外された下は眼球カメラのみのグロテスクな姿になるのだが、そんなことで怯んでいてはアンドロイドなど愛せないし、皮一枚の下が無機質な機械であることを気にしていてはアンドロイドとは一緒に暮らせないだろう。
そしてそんな姿の俺でも気にせずにいてくれるご主人様のような人でなければ、このように大切にされることもないのだから。
ご主人様は皮を手に取って蛇口をひねると、口周りを重点的にゆすぎ始めた。
行為の最中にも舌を入れたり、場合によっては陰茎を入れることがある口腔内も念入りに洗浄しなければならない。
以前、生首の状態のままご奉仕した事があったが、俺のご主人様は興奮出来なかったらしくそれ以降頼まれることはなかった。
****
洗浄後、ご主人様はパーツのうちのいくつかを専用消毒器の中に入れ始めたので一通り洗い終わったようだ。
先に消毒し終えた顔の皮を俺の元へ持ってくると、俺の生首の上にそれを被せた。
俺に被せてあった顔の皮は唇、口腔内から舌の根までが一つに繋がっているタイプだった。
元の状態に戻す際には、口腔内の皮を口内へ押し込んで、舌となる出っ張り部分に舌の皮を被せてからしっかり奥に押し込めば、上手く装着出来る構造になっている。
位置を確認しながらご主人様が俺の口の中に皮を押し込む。
口内に手を入れて押し込むので人によっては抵抗があるらしいが、構造上仕方のないことで俺のご主人様は特に気にはならないようだった。
ご主人様が俺の口の中から指を引き抜く。
人間とは違い唾液は出ていないのでご主人様の指先はぬるついてはいない。
「…………あ」
「すまなかったな」
ご主人様は何故か申し訳なさそうな顔をして覗き込んでいる。
「……どうして謝るんです?」
「今日はまったくお前に話しかけてなかったから。寂しくなかったか」
「いいえ」
そうか、いつもならばご主人様は作業中にも話しかけて下さることが多い。
しかし何故そのことを謝るのかが俺にはわからなかった。
寂しそうな顔をしたままご主人様が俺の口を塞ぐように唇を重ねて、そのまま首を手元へ抱き寄せた。
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