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青藍と天清 1
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あれから家の中に入って、しろおじちゃんが買って来てくれたお肉で焼肉をして、皆んなで食べた。
しろおじちゃんは、ほんとうは夕方まで仕事だったんだけど、僕やたかきよくんが来るから早目に切り上げて帰って来たんだ、と笑って言った。その時の笑顔が、僕でもボーッとしてしまうくらいにカッコよかったから、「仕方がないから凛をしろおじちゃんから取るのはやめる…」とポツリと呟いた。
僕の呟きを聞いて、しろおじちゃんは一瞬、驚いた顔をした後に、僕の頭をグリグリと撫で始めた。
髪の毛をグチャグチャにされて、僕は今日何度目かのほっぺを膨らませて凛の傍に逃げる。
凛が、笑いながら僕の髪を撫でつけて、綺麗に直してくれた。
「もうっ、やめてよ!今日助けてくれたお礼に凛をしろおじちゃんに任せるけど、凛を少しでも泣かせたら僕が許さないからねっ!」
「はぁ?俺が凛を泣かせる訳ないだろ。凛を悲しませる奴は、俺が一番許さない…」
しろおじちゃんが、優しい目で隣に座る凛を見る。凛のほっぺに手を当てて、口の端についたタレをペロリと舐めた。
「なっ…!銀ちゃんっ、皆んないるんだから舐めないでよ…っ」
「なんでだ?浅葱も清忠も慣れてるからいいだろう。それに、俺達は夫婦だぞ?」
「そっ、そうだけど…。ほら、天清くんがびっくりしてるよ?」
凛の言葉にたかきよくんに目をやると、それこそ口の周りにタレをいっぱいつけて、大きな目を更に大きく見開いて、凛としろおじちゃんをジーッと見ていた。
「ちょっと、凛ちゃんと一ノ瀬さん。うちの子の教育上、よろしくないですっ。ほら、驚いて固まっちゃったじゃないですか…。それ以上は頼みますからやめてくださいよ?」
たかきよくんのお父さんが、丁寧にたかきよくんの口を拭きながら凛としろおじちゃんを見て苦笑した。
「おまえの子供は、おまえに似ず純粋で可愛いんだな。ああそうか、母親に似たのか…。天清、俺と凛は、結婚している。おまえの父親と母親と同じだ。だからこういうことをしても何ら不思議ではない」
「あっ、ちょっ…!ふぅっ」
しろおじちゃんが、凛の頭を抱き寄せると、今度はしっかりと凛の口に口を押しつけた。
凛が、しろおじちゃんの肩を押して離そうとするけど、ビクともしていない。
ピチャピチャと音がする二人の口を見ていたけど、ふとたかきよくんが気になって振り向くと、目を塞ごうとするお父さんの手を必死で退けて、二人のキスをキラキラとした大きな目で見つめていた。
僕は、しろおじちゃんと凛のキスを見ても、不思議ともうムカムカすることはなくて、ただたかきよくんの愛らしい様子に、胸の中がポワンと温かくなるだけだった。
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