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「凛を離せっ」と叫びながら、僕は男の人の足を蹴った。するとまた透明のヒモが出てきて、僕の両方の腕に巻きつく。ヒモに引っ張られるように腕が持ち上げられ、僕は、バンザイをした格好で宙に浮かされた。
「なっ、何するの!離してよっ」
「青藍っ!」
「ああ?おまえ、やっぱ気に入らないわ。銀色のヤツと似てる…。ふむ…、そうだな。六年前のお返しに、おまえのその翼を抜いてやるか」
「「えっ?」」
僕の驚く声が、凛と重なる。
ーーえ?こいつ、僕の翼を抜くって言った?い、イヤだっ。僕はこれからもっと強くなるんだっ。翼が失くなると空も飛べなくなる…っ。そんなの絶対にイヤだっ!
僕が腕のヒモが取れないかと足をバタつかせていると、凛が「やめろ!」と暴れて、男の人から身体を離した。
キッと男の人を睨み、両手を胸の前で組んで何かを呟く。
凛に押されて大きく息を吐いた男の人が、僕に向かって伸ばしかけた手を、ピタリと止めた。
とても遅い動きで凛を振り返り、低く囁く。
「…凛、何をした。というか、こんなことが出来るんだな。知らなかったよ」
「…青藍、今助けてあげる」
男の人の問いかけを無視して、凛が僕の足に触れる。その瞬間、もう二つの透明のヒモが飛んできて、僕の翼に巻きつくと、強く引っ張り出した。
「あっ!やだっ、痛いっ!」
「青藍っ!そんなっ、動けないハズじゃ…」
僕の両足を抱きしめて、凛が男の人を振り返り叫ぶ。
「離せよっ!あんた…何で動けるの?」
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