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「だっ、大丈夫だからっ。向こう行ってて!」
「ホントに?…わかった」
ドアから離れていく足音を聞いて、僕は大きく深呼吸をする。力強く一つ頷いてから立ち上がり、ドアを開けて部屋に戻った。
僕が元いた場所に座ると、天清が手を伸ばして僕のお腹に触れてくる。ビクンと跳ねてしまった身体を誤魔化すように咳をして、天清を見た。
「天清、なにしてるの?」
「だって青藍、お腹痛いんでしょ?早く良くなるように撫でてるんだよ」
「だっ、大丈夫…っ。大したことないから…。そ、それよりもっ、さっき何で僕のくっ、口っ…舐めたんだよっ」
「え?ああ…、お茶の雫がついてたから。拭く代わりに舐めたの」
天清が、一瞬考えた後に、満面の笑顔で言う。
ーーいやいや、拭く代わりに舐めるって何だよっ。おかしくない?それに言ってくれたら自分で拭くし…っ。
僕は、顔を熱くしてプルプルと震えながら、天清を睨みつける。
すると、ニコニコとしていた天清から笑顔が徐々に消えて、代わりに顔がだんだんと赤くなる。そして、フイっと僕から顔を背けると、テーブルに顔を伏せてしまった。
天清のその様子に、怒りすぎたかな…、と罪悪感が浮かんでくる。
僕は、天清のフワフワとした茶色い髪の毛に触れて、「睨んでごめん…」と謝った。
その直後、天清の身体が小刻みに震えて、ブツブツと呟く声が聞こえてきた。
僕は、天清が泣き出してしまったのかと慌てて、天清の背中をギュッと抱きしめる。
「ごっ、ごめんっ。天清、泣かないで…。天清が僕を舐めたこと、怒ってないから。またしてもいいから…ね?」
「……い…」
「え?なに?」
急に天清がガバッと顔を上げて、まだ赤い顔のままで僕を見る。僕の両肩を強く掴んで、なんとも言えない奇妙な顔をした。
「…青藍、いろいろと気をつけてよね…」
「なにが?」
天清が何を言ってるのかさっぱり分からない。
それに、強く肩を掴まれて、四年前の龍の妖に刺された傷が、ピリリと痛んだ。
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