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「なんだ?」
僕の手を見て、先生が首を捻る。
「今の貼り薬、少しちょうだい。体術の授業の度にここに来るのは面倒なんだ」
「ちゃっかりした奴…。いいぜ、一袋持って行きな。その代わり…」
先生が、僕の掌の上に貼り薬が入った銀色の袋を乗せる。その手で僕の頭を引き寄せて、僕の唇を自分のそれで塞いだ。角度を変えて何度か喰み、舌先で唇の隙間をつつく。
僕は固く唇を結んで、先生の黄色く光る目を見つめていた。
口内への進入を諦めたのか、少しして目を細めた先生が顔を離す。後頭部に回していた手で僕の頬を撫でて、大きな溜息を吐いた。
「おまえは頑固だよな…。俺が何度も愛してると言ってるのに、まるっきり無視だ」
「だって、僕は先生を愛してないから。あんまりしつこいと、淫行教師だと訴えるよ?」
「でもキスは許すじゃないか。本当は俺のことが好きなんだろ?」
「度の過ぎた自信は、身を滅ぼすよ?先生がしつこいから面倒くさいだけ。それと僕は、タバコの匂いが大嫌い」
「ちっ…、小憎たらしいガキが。俺は何でこんなガキに惚れちまったのかねぇ」
「それ、きっと気のせいだよ。早く目を覚まして。じゃあね先生、もう僕に近寄らないで」
まだ何か言いたそうな先生の脇をすり抜けて、保健室を出る。僕は、保健室を出るとすぐ隣にあるトイレに入り、手洗い場で唇に残る先生の感触が消えるまで、何度も洗い流した。
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