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歯磨き粉のような銀色のチューブを持って、先生が戻って来て僕の隣に座る。
タオルで顔を拭っていた僕は、ベッドが沈む振動にタオルを下ろして左に顔を向けた。
すぐ目の前の、僕を見つめる黄色い瞳にビクリと肩を揺らし、少しだけ距離を取る。
先生が「はあ~っ」と大きな声を出して、一気に距離を詰めてタオルを持つ僕の腕を掴んだ。
「今さら何怖がってんだよ…。もう何もしねぇ。今はな」
「…今は…って」
「ほら、シャツ脱いで肩を見せろ。そもそもは、肩が痛くて来たんだろうが」
「あ……うん…」
先生に指摘されてやっとその事を思い出し、ショックで忘れていた左肩のピリピリとした痛みが、ぶり返してきた。
僕は、体術の授業中に一瞬気を抜いて、迂闊にも相手の攻撃を左肩に食らってしまったんだ。
気を抜いた理由も情けないものだ。特別棟から戻る生徒の団体の中に、天清の姿を認めたからだ。天清に意識を逸らせてしまった為に、反応が遅れて相手の突きが当たったんだ。
僕は、ボタンに手をかけて外そうとする。だけど、まだ動揺が収まっていないのか、指が震えて上手く外せない。
モタモタとする僕に小さく舌打ちをして、先生がボタンに手をかけた。
「チッ…、貸せよ。…ったく、誰だよ。おまえをそんな風にさせる奴は…」
先生は、文句を言いながら全てのボタンを外すと、僕の肩からシャツを落として脱がせた。そして、そのままTシャツの裾を持ち上げようとする。
「何してんの?」
「あ?全部脱がないと塗りづらいだろうが。」
「…こうすれば塗れる」
僕は、左手でTシャツの襟をグイッとずらして肩を露わにする。
先生は、溜息を吐きながら持っていたチューブの蓋を開けると、ゼリー状の物を指に乗せて、僕の肩に塗り込んでいく。塗った端から冷たい薬が染み込んでいくようで、ピリピリとした痺れがすぐに治まった。
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