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「あれは…っ、あの子は隣のクラスの子で、話があるって言うからついて行って…。そうしたら『目にゴミが入った』って言うから見てあげようとしたら…、いきなりキ…キス…してきたんだ…」
「……か」
「なに?青藍…」
「バカっ!なんでそんな手に引っかかるんだよっ!どう考えたって、その子がおまえを嵌めるためにウソついたとしか思えないっ。ぼ、僕がっ…、おまえがキスする姿を見た僕がっ、ど、どんな気持ち…だったか…っ」
天清を睨んで怒鳴った僕は、再び俯いて、なおも震える両手を握りしめる。でも震えは大きくなって、鼻の奥がツンとなって、涙が溢れそうになった。
こんな姿、どう考えたっておかしい。天清を好きと言ってるようなものだ。
僕が天清から離れる為に身体の向きを変えようとした瞬間、天清に強く抱きしめられた。
「…離して」
鼻をグズグズと鳴らしながら、天清の胸を押す。
だけど、天清はビクともしなくて、息が出来ない程強く抱きしめてくる。
「なぁ、青藍。俺の不注意で、嫌な思いをさせてごめん。俺は、あの子の事は好きじゃない。あの後、はっきりと断った。だって…俺には好きな子がいるから…」
天清の言葉に、僕の心臓が早鐘を打ち始める。
ーー好きな子…?なんだよ…、あの子じゃないだけで、好きな子がいるんじゃん…。
はっきりとは言ってないけど、僕の気持ちがバレてしまって、なのに天清には他に好きな子がいて…。これじゃあ、今までのようにはもう、いられないかもしれない。
「う…、うっ…」と遂には声を出して泣き出した僕の背中を、天清が優しく撫でる。
「青藍…」
天清に両手で顔を挟まれて持ち上げられる。そして僕の頬に唇を寄せて、流れる涙を吸っていく。
「な、なんだよ…、やめ、ろよ…」
僕の止める声を無視して、天清の唇が鼻先に触れ、そして僕の唇にそっと重なった。
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