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「青藍っ!」
「…柚葉?」
ドアの外から聞こえた声に、唇を離してドアの方を向き、僕はポツリと呟く。
天清が、両手で僕の顔を挟んで元に戻し、「今はダメ」とまたキスをする。
ヌルリと口内を蠢く熱い舌に僕の舌を絡めて、唾液の交換をする。激しく舌を擦り合わせながら、天清が僕の腰を撫でた。その手の気持ち良さに身体を震わせていると、再びドンドンとドアが叩かれた。
「青藍っ!いるんだろっ?」
「青藍様っ!」
「んっ、んぅ…、はぁ…、あ、れ?浅葱?」
なぜか天狗の郷にいる筈の浅葱の声が聞こえる。
僕は天清の胸を押して離れると、渋る天清をなだめてドアを開けた。
「青藍っ、やっぱいたんじゃんっ」
「青藍様っ、今すぐに郷に戻って下さい!」
「えっ?なんで?何そんなに慌ててるの?」
ドアを開けるなり柚葉が大きな声を上げ、浅葱が僕の腕を掴んで言った。
初めて見る真剣な表情の浅葱に不安がよぎり、僕の心臓が早鐘を打ち始める。
「郷で…何かあったの?」
「はいっ…あ、いえ…」
浅葱が、僕の後ろにいる天清に気づき、急に言葉を濁し出した。
「なに?俺に聞かれるとマズいの?」
僕の隣に並んで立った天清が、苦笑しながら言う。
浅葱は少しだけ目を泳がせると、再び僕を見て驚く事を口にした。
「鉄様が…怪我をなさったのです。かなりの怪我です。そして鉄様にそんな怪我を負わせたのは……妖狐一族です…」
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