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二日後の朝早くに、浅葱と柚葉と共に寮へ戻った。
学校には昨日のうちに話がついているらしい。家を出る時に、父さんがそう言っていた。
寮の前まで浅葱が運転する車で来た。僕の荷物を運ぶためだ。
柚葉はこのまま学校に残る為、帰りは浅葱と僕の荷物を乗せて帰ることになっている。
寮の僕の部屋で、そんなに多くはない荷物を大きなスーツケースと鞄に入れていく。、
半分ほど片付いたところで、ドアがノックされて開けると、天清が難しい顔をして立っていた。
天清は、部屋の中の様子を見て、「えっ?なんでっ!」と大きな声を上げて中へ入ろうとする。
僕は、天清の手を掴むと、「ちょっと来て」と下の階にある天清の部屋へ向かった。
天清の部屋は、とてもスッキリとしている。必要最低限の物しか置いていないからだ。
以前に「あまり色んなものをゴチャゴチャと置くのが嫌なんだ」と言っていた。
天清に鍵を開けてもらい、中に入ってベッドに腰かける。不満そうな顔で入り口に立つ天清を呼ぶと、ノロノロと寄って来て僕の隣に座った。
僕は、俯く天清の手をギュッと握る。
天清は、泣きそうな顔で僕を見た。
「青藍、どういうこと?なんで部屋を片付けてんの?なぁ、もしかして…っ」
「うん…、たぶん、天清が思ってる通り…。僕はこの寮を出るよ…」
「なっ、なんでっ!」
「…学校を辞めるから」
「えっ!そ、そんな…っ。なんでっ!?嫌だよっ!辞めるなよ!俺の傍から離れんなよっ!青藍っ!」
天清が悲痛な声を上げて、僕を強く抱きしめた。
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