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天清が、僕の身体を濡らしたタオルで綺麗に拭いてくれた。
少し怠くなった身体をゆっくりと起こして服を整えていると、天清も身体を拭いて上着を着替えていた。
部屋を出る直前、僕は天清に強く抱きついて、天清の体温と匂いを確かめる。
ーー僕は、この温かさと匂いを忘れない。次に会うまでずっと覚えてる。
「天清…元気でね。勉強も修行も頑張ってね。僕も負けないように頑張るよ…」
「俺…すっげー強くなる。強くなって青藍を守るから」
「うん…。じゃあね…、ここでお別れ。これ以上一緒にいると、離れられなくなるから…」
「…青藍、あまり無理はするなよ。それに、待ち切れなくなったら、俺、迎えに行くからなっ」
「うん…。ふふ…待ってる…」
天清が、声を震わせながら何度も何度も僕の髪を撫でる。
僕は大きく息を吸い込むと、天清の胸から顔を上げて、ニコリと微笑んだ。
「さよなら…天清。大好きだよ」
「俺も好きだ…」
天清の顔が降りてきて、唇がそっと重なる。
数秒間合わさって、ゆっくりと離れていく。
僕は、頬を濡らしながら満面の笑みを浮かべて、天清の部屋を後にした。
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