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「おいっ!おまえらっ、何やってんだっ!俺を無視してんじゃねぇ!」
せっかくの雰囲気を壊す声に、僕は目を開けて溜息を吐き、天清はギロリと声の主を睨んだ。
「なに?おまえ、まだいたの?邪魔だからどっか行けよ」
「なっ…!お、おまえが後から来たんだろっ。俺はそこの天狗に用が…っ」
「用って僕を倒すんだっけ?いいよ。早くしてよ。時間が無駄だから」
「くっそ!舐めやがってーっ!」
怒りで顔を真っ赤にして、男が再び僕に向かって突進して来た。
「青藍っ」と僕を庇おうとする天清を右手を挙げて制すると、その手を前に突き出し意識を集中させる。
男の手が僕に触れる寸前、軽く右手を振る。すると、男がクルクルと回転しながら飛んでいき、倉庫の壁に身体を強く打ち付けて地面に落ちた。
「すげぇ…。俺、かなり強くなったつもりだったけど、やっぱ青藍には適わないかもしれない…」
「そうかな?あの猫又が弱いからだと思うよ?」
「まあ…それもそうだな」
地面に倒れて動かない男を見て、二人で苦笑を漏らす。
「青藍、他にも変な奴に目をつけられてないか?俺が追い払ってやる!」
「ふふ、そんなのいないよ。この妖も勝手に文句言ってきただけだし」
「ならいいけど。青藍は今から帰るのか?今はおじさんの家にいるんだよな?今日行ってもいい?」
「いいよ。入学式が終わったら来てよ。場所はわかるよね?」
「知ってる。今から行ってもいいんだけど…」
「ダメだよ。ちゃんと学校が終わってから来て。待ってるから」
「…わかったよ。ところでアイツどうする?」
天清が、僕の頬を撫でながら倒れてる男を顎で示す。
僕はチラリと男に目をやると、天清の手を引いて歩き出した。
「そのうち目が覚めるだろうけど、一応朝霧先生にも知らせておくよ」
「そうか…、って。ちょっと待て!朝霧ってあの野郎かっ!」
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