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「お待たせ~! 病室に移動するよ〜」
和田先生は思ったより早く戻ってきた
もっと時間かかるかと思ったんだけどな
「電話してくれてありがとうございました」
「いいえ~。あ、湊君ね一回家に戻って着替えとかを取っ
てきてから病院来るって言ってたよ!」
「そうですか。また迷惑かけちゃったな」
「きっと湊君は迷惑だなんて思ってないと思うけどな。」
そうですかね? と、和田先生の言葉にぎこちなく笑い返した
そんな俺に対して、和田先生はそうだと思うよ? 俺は湊くんじゃないから、絶対そうだって断言はできないけどね。と苦笑していた
俺を車イスに乗せると、さっきの電話の内容について話をしながら病室へと移動した
「ここが侑舞くんの病室ね」
病室は個室ということもあって、1人で使うには広すぎるくらいの広さだ
広すぎて落ち着かない……
和田先生に促さられて、ベッドに横になった
するとすぐに点滴がつけられた
「じゃあ俺は戻るね。また後で様子見にくるけど、少しで
も体調に変化があったらナースコールしてね」
「わかりました。ありがとうございます」
その言葉を聞くと、和田先生は手を振りながら病棟に戻っていった
和田がいなくなったため侑舞は1人になった
他に誰もいない空間はあまりにも静かで、少し不気味なくらいだ
「ゴホゴホッ。もう本当に嫌になるな」
相変わらず止まる気配のない咳と、消えない息苦しさに多少のイラつきを覚えた
イライラしようが、情けなかろうが、今は少しでも早く治るように安静にするしかない
しばらくボーっとしてたら、薬の副作用の影響か深い眠りへと落ちていった
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