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通話中は平静でいられたが、通話が終わった途端に頭の中はパニックになっていた
やっぱり侑舞を家に残して大学に来るべきじゃなかった
何してんだ俺は……
今朝の自分の行動を湊は悔やんだ
でも今は悔やんでいたって仕方ない
とりあえず家に帰って病院に行こう
保険証とか貴重品は自分で持っていたはすだから着替えと携帯の充電器とかかな
これからの動きを頭の中で組み立てていた時ーー
「おい、湊? 電話終わったなら声かけろよ」
碧海に声をかけられ、碧海を待たせていたことを思い出した
「え? あ! ごめん!」
「いや別にいいけどさ。んで、電話誰からだったんだ?」
「あー弟の担当医の先生からだった」
「そっか。なんだって?」
「病院行って診察してみたら肺炎だったらしくて……」
「まじか」
「まじ。どーしよう。俺今日車じゃない」
「俺も車じゃないわ」
碧海も今日は車じゃなかったらしい
今日に限ってお互いに車じゃなく困っていた時だった
「俺が車出してやろうか?」
突然第三者の声がした
振り向くと、そこにいたのは同じ学部で仲良くしてくれている久我野先輩だった。
「いや、いくら仲が良いとはいっても久我野先輩に迷惑か
けるわけにはいかないですよ」
先輩の言葉は有難い
でも、さすがに気が引けた
「えー? 別に迷惑じゃないよ? てか、迷惑だと思うなら
自分から声かけないだろ(笑)」
たしかにその通りだけど
全く無関係な人に頼むのは申し訳なさすぎる
どうすべきか困っていたら、
「湊、先輩もこう言ってるし、事情が事情なんだから甘え
させてもらえば?」
と碧海に言われた
湊は先輩に対して申し訳なさしかなかった
でも、申し訳ないという気持ちよりも、出来るだけ早く侑舞のもとへ行きたいという気持ちの方が強かった
今回はいち早く病院に行くために、先輩の言葉に甘えさせてもらうことにした
「そうだね……。久我野先輩お願いしてもいいですか?」
「もちろんいいよ。門の前で待ってて、車まわすから」
そう言って先輩は駐車場へ小走りで駆けて行った
先輩が走っていくと良かったな。と碧海に言われた
それに無言で頷き、先輩に続くように俺たちも門までの道を急いだ
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