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碧海side
「はぁはぁ…………」
碧海は息を切らしながら屋上へと続く階段を駆け上がった
久しぶりにこんなに走ったんじゃないかっていうくらいに必死に
そしてようやく屋上の扉の前に着いた
どうか、いませんようにーーー
そう願いながら碧海は扉を開いた
扉を開けて目に入った光景に思わず息をのんだ
それもそのはずだ
扉を開けた先には今にも飛び降りそうな男が1人いたのだからーー
気づいたら身体が勝手に動いていた
そして手摺の向こうにいる男の腕を掴んで怒鳴りつけた
「お前何やってんだ! 死ぬ気か!!!」
そう大声で言いながら、男を自分側に引っ張りこちら側へと戻した
するとその男は俺が屋上に入ってきていたことに気づいていなかったのか、驚いたようにこちらを振り返った
男が振り返ったことでようやく顔を見ることができた
間違いない。湊が送ってきた写真の子だ
とりあえず間に合ったことにホッと息を吐いた
そして手摺から距離をとった
男に声をかけようと振り返ると彼は涙を流していた
「え!? どうした!?」
さすがの俺も驚いた
どこか痛い場所でもあるのかとしゃがんで目線を合わせようとした
するとフイッと顔を逸らされた
俺からはあえて何も声をかけないでいると、しばらくしてからその子が話だした
「何で? 何でみんな俺のこと助けるの? 何で死なせてく
れないんだよ!」
その子は叫ぶようにそう言った
俺にはその叫びが彼からのSOSのように感じた
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