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湊は、碧海が来るまでの時間が暇だったので、スマホを弄りながら到着を待っていた
携帯に表示されている時刻を確認して、そろそろかなと思い、顔を上げ入り口の方に視線をやった
するとちょうど入り口から入ってきた
碧海だけだと思っていたら久我野先輩も一緒だったらしい
「碧海!」
碧海の名前を叫ぶと、こちらに気づき手を挙げてこっちに歩いて来た
「久我野先輩も一緒だったんだね。碧海だけだと思って
た」
そう言うと碧海は、あーという顔をして
「ゴメン。俺さ、家出るときに先輩も行きたいんじゃない
かなと思って連絡したんだ。すっかり湊に連絡入れる
の忘れてたわ」
ごめんと軽く謝ってきた碧海に、そういえば電話したとき随分と慌てたような感じだったなと思い出した
「そうか、忘れられてたのか俺は」
そう言ってしょげてる久我野先輩を見て碧海と2人で爆笑した
笑いが収まったところで病室へと歩き出した
「そうだ、言っておかなきゃいけないことがあった
侑舞なんだけど、もしかしたらまだ寝てるかもしれない
から。碧海を迎えに行く前に起きたんだけど、また寝か
せたんだ」
「了解。あ、そうだった。湊、昨日言ってたお礼の件だけ
ど、」
「あーあれね! 決まった?」
「まぁな。欲しいものは見つからなかったんだけど、俺さ
湊の弟と話してみたいんだよね」
「侑舞と? うーん。本人がいいって言えば俺は構わない
けど。またどうして?」
「なんとなく気になったから」
「ふーーん。碧海が誰かに興味持つなんて珍しいね?
基本自分から関わろうとはしないのに」
碧海は基本的に交友関係は広く浅くだ
寄ってくるのも離れていくのも、お好きにどうぞって感じ
友人と呼べる人間は少ないし、碧海自身が興味を持つ人間も少ない
だから本当に珍しいことなんだ
「まぁな。自分の周りにはあんまりいないタイプだからな
んじゃね?」
「とりあえず侑舞に聞いてみるよ」
「頼んだ」
そんな会話をしていたら病室に着いたので、全員が静かになった
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