アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
56
-
姫宮side
和田の電話から6日後、姫宮は予定通り日本に帰ってきた
明日からまた白鳥総合病院で働く
外科医としても働けるのだが、病院の方針でとりあえずは精神科医の方をメインとして、忙しいときなどにフォローに入る形となった
「はぁ~。やっぱ日本がいいわー」
そう呟くと自宅へと歩き出した
翌日の朝、病院までの道のりを懐かしみながら進んだ
医局に行くと知った顔が皆、駆け寄ってきた
「姫宮先生~!!! おかえりなさーい!」
それぞれが私がいなかった間に起ったことを、次々に話し出す
もう収拾がつかなくなっていた
誰か助けてくれ……と思ったところで精神科の部長がやってきた
おかげで何とか周りも落ち着いた
「えー、もう知っての通り、今日から我が精神科のエース
である姫宮が戻る。外科が忙しいときはそちらの応援に
行くこともあるが、暫くの間はうちでの業務がメイン
だ。せっかく戻ってきたわけだから、関りがあった者
も初めての者も盗めるもんは盗め。こいつは基本口で
は教えてくれない。自分の目で見て学べ。じゃあ姫
宮、初めましての奴もいるから挨拶してくれ」
部長に言われ、1つ頷くと一歩前に出た
「ただいまご紹介に与りました、2年前までここで働いて
いた姫宮莉琴と申します。外科医としての腕を磨くため
に、約2年間の間アメリカに行ってました。今日からま
たこちらでお世話になります。1日でも早く精神科医と
しての仕事の勘を取り戻すために頑張ります。これから
どうぞよろしくお願いします」
そう言って頭を下げた
するとよろしく~という声と共に拍手が起きた
「よし、紹介も済んだことだし、仕事を開始しようか」
部長のその言葉で各々の作業を始めた
私も自分の仕事をしなければと部長に仕事内容を聞こうとしたらニコニコした顔で想定通りの指示をしてきた
「姫宮には今日からまた榊侑舞くんを担当してもらうか
ら」
「だと思いました」
「姫宮がいない間ベテラン勢を筆頭にいろいろやってはみ
たんだが、全滅でね。ついにはカウンセリングに来なく
なってしまったんだ」
すまんと平謝りされ、思わず溜息が漏れた
「何してるんですか……」
「頑張ってはみたんだよ! 結局和田先生としか、まとも
に話をしてくれなくてね。まー、そういうことだからよ
ろしく頼むよ」
「はぁ……分かりました。病室どこです?」
「504だ」
部長の言葉に片手をあげて返事をし、侑舞くんの病室に向かった
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
60 / 159