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直接病室に行こうと思っていたが、途中まで来て和田と合流して、話を聞いてからの方がいいなと思い直し、和田の所へと向かった
和田が配属されているのは呼吸器科
一時期は心臓の方もやっていたが、呼吸器科に転属した
心臓系にも当然強いので、忙しいときには今でも駆り出されるらしい
医局につくと近くにいた看護師に声をかける
「ねぇ、和田先生っているかしら?」
「あ、奥にいると思います。呼んできますね!」
「ありがとう」
看護師はパタパタと走っていった
そんな慌てなくてもいいんだけどね
つか、転んだりしたら大変だから走らないで欲しいくらいだ
しばらくすると奥の方から声が聞こえてきた
「だからー、誰が呼んでるの?」
和田が看護師に何かを尋ねているようだ
「あ、あの先生です」
そう言って、さっきの看護師が私のことを指差した
あぁ、あの看護師私のこと知らないんだな
誰が呼んでるのか聞かれて答えられなかったんだろう
「んー? って姫宮先生!!! えっ!? 遠くないうちに戻
るとは言ってましたけど、こんなにすぐだったんです
か!?」
「和田ちゃん、やっほ~。実は昨日帰ってきたばっかなの
よ~」
「まじですか。というか、俺に用事ってなんです?」
「あー、実はさ、今日からまた侑舞くんの担当になったの
よ。それで、もう1人の担当医である和田に現状を聞こ
うと思ってね。情報の共有は大事だからね」
「なるほど。てか、やっぱり姫宮先生が侑舞くんの担当な
んですね(笑)」
和田も予想はしていたようだ
まぁ私がいた頃を知ってる人間なら誰しもがそう考えるだろうな
「そーなのよ〜。私がいない間、頑張ってはみたけど全滅
だったんだと。困ったもんよね」
「たしかにカウンセリング行ってないって、いつだかの定
期健診の時に言ってた気がする」
いや、それを電話で報告しろや
聞いてねーぞ
思わずどつきたくなったが、和田が肝心なところでぬける性格なのを思い出し、仕方ないと思うことにした
「まー、どうであれ私が担当になってしまったことは変わ
らないからさ〜。やるっきゃないわ」
「ですねー。じゃあ、入院してから今日までのことをお話
しますね」
とにかく情報がないと何もできないので、和田から情報をもらい、今後のことについても少し話し合った
そして、あらかた話をしたところで、病室へと向かうことに
「侑舞くんきっと驚きますよ」
「でしょうね。黙っていなくなったことに関して、怒られ
ないことを願うわ」
「それに関しては怒られてもしょうがない気がしますけど
ね(笑)」
姫宮は和田の言葉に苦笑しながらも、否定することはできなかった
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