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食事を終えると、碧海は湊との話し合いの件について聞いた
内容は湊からもう聞いていたので、相違がないことだけを確認しながら聞いていた
侑舞くんは意外にもしっかりと冷静に今の状況を分析し、どうすべきか答えを出していた
自殺しようとしたのを知っていた碧海は、湊よりも侑舞の方が感情的に動いてしまうのではないかな?と思っていたので少し驚いた
とにかく話し合いをするしかないことだけは明確なので、もう一度話し合いをして解決する方向で動くことに
その後は侑舞くんが学校での、外での湊のことが知りたいというのでいろいろ話をしてあげた
話を終えて店を出ようとしたころには、吹っ切れたような表情をしていた
少しでも2人がいい方向に向かってくれたらいいなと思いながら家まで送った
家に着き、湊に声をかけてから帰ろうと思い、侑舞くんと一緒に玄関のドアを開けると、その先で待っていたのは大きなカバンを持った湊だった
「ねぇ、兄さん。そんなにたくさんの荷物を持ってどこに
行くの?」
その侑舞くんの問いはその場の空気を一瞬で変えた
しばらく黙っていた湊も観念したかのように、家を出ることを告げた
そこから2人の言い合いが始まり、このままではこの間の二の舞になるだろうと踏み止めに入って、場所を移動させた
何とも言えない空気の中、俺が仕切りながら話し合いを進めていった
侑舞くんの話で何とか丸く収まり、話し合いは無事終わった
2人が負ってきた心の傷は深く、この傷が癒えない限り今回の一件が解決したとは言えないだろう
だが、きっとこの2人は大丈夫だと思う
今まで足りなかったものを、少しづつ時間をかけて補っていくことで関係は修復していくはずだ
お互いが相手のことを大事に思うあまりに起きたすれ違い
2人にとっては大きな傷にもなったが、得たものはそれ以上に大きかったはずだ
これからも悲しみや苦しみも当然あるだろうが、毎日が本当の心からの笑顔で溢れてくれたらいいなと俺はは密かに思っていた
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