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翌日―――
姫宮は呼吸器科への廊下を歩いていた
呼吸器科に着くと、以前声をかけた看護師さんが今日もいた。すると彼女も私のことを覚えていたようで、私に声をかけてきた
「えっと、姫宮先生ですよね? 先日もいらしていた」
「そうです。私もちょうど、あの時の看護師さんだーって
思ってました(笑)」
「私、河野といいます! あの、もしかして和田先生に用
事ですか??」
「河野さんね、覚えとく。あなたは察しがいいのね、その
通りよ。呼んでもらえるかしら?」
「はい! 今呼んできます!」
そう言って前と同じようにパタパタと走りながら奥へと消えていった
そこまで急がなくてもいいんだけどね?
その動きの速さに笑いそうになった
「ほら! 早くしてくださいよ! 姫宮先生が待ってるって
言ってるじゃないですか!!!」
10分くらい経って、河野さんのそんな声と共に和田がやってきた
「姫宮先生お待たせしちゃってすいません!」
「全然平気よ。ありがとうね」
「いえ! それじゃあ私は業務に戻ります」
河野さんはそう言って医局を出て行った
「えっと? 何かあったんですか?」
「は? 何かあった以外に来る理由があんのか?」
「……ないですね。プライベートな話かと一瞬思っただけ
です。すいません」
「プライベートのことは業務時間外にしか基本いかねー
わ。てか、和田ちゃんとプライベートで約束したことな
んてねーだろ」
「言われてみればそうですね。プライベートでご一緒した
ことなかった」
どこかショックを受けたような顔をしているのは放っておき話を進める
「それでー、話って言うのは例のお2人さんのことね。
多賀君から昨日連絡があって、とりあえず良い方向で話
がまとまったってことだから、一応ご報告。今後は湊君
のメンタルケアも必要に応じてしていく予定だから」
「え…….?え!?もうそんなに話進んでたんですか!?
全然知りませんでしたよ! そもそも退院時の話し合い
の件、全く聞いてないんですけど」
「ん? 湊君から連絡来なかったんだ?」
「何も音沙汰なしですよ(泣)俺だけ蚊帳の外にしないでく
ださいよ!」
「知ってると思ってたんだもの。ま、そういうことだか
ら。じゃあね」
言うべきことだけ伝えて姫宮はさっさか医局を後にした
そんな姫宮を引き止める和田の声だけが廊下に響き渡っていた
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