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翌日は朝からよく晴れていて、この時期にしては暖かい陽気だった
体調を崩しやすい侑舞にとってはこの暖かさはとてもありがたかった
とはいえ、あんまり温度差があるとそれもそれで問題ではあるのだが
今日は久我野さんが多賀さんを拾ってから、俺らの家まで車で迎えに来てくれることになっている
兄さんも余程楽しみなのか朝から鼻歌でも歌いだしそうなくらいご機嫌だ
そんな兄に、朝食はいらないからと伝えると、退院後から食欲が戻っていないことが心配なようだった
それに関しては俺自身も気になっているので時間を見つけて病院に行こうと思っている
ただ単にしばらくご飯をまともに食べてなかったせいだとは思うが、念には念をだ
とりあえず何もお腹に入れないのも良くないと兄さんに言われて、出された味噌汁だけ飲んで出かける準備を始めた
今日はデニムパンツに上はスウェット生地でピンク色のビッグプルオーバーに黒のMA-1という服装だ
ちなみに、上のトップスとアウターは昨日多賀さんと一緒に選んだものだ
準備ができ、下に行くとちょうど兄さんも準備が終わったところだった
「侑舞がピンクの着るなんて珍しいね! すっごく似合っ
てる」
俺の服装を兄さんがべた褒めしてきた
ファッションとかに無頓着な俺とは違い、そういうのに気を使ってる兄さん
同じ服を着てもなぜか兄さんの方がイケてるように見えるのは未だに謎だ
俺の格好をジロジロと見ると、ちょっとワックス使って髪の毛を整えよう! と無理やり洗面所へ連れていかれた
普段髪の毛なんて適当なのでわざわざやらなくていいと兄さんに抵抗したが、結局兄さんに押し切られる形で髪を整えられた
髪の毛をワックスで整える、ただそれだけのことなのに終わったころにはぐったりしてた
そんな俺とは対照的に兄さんは俺の髪を見て満足げだった
「完璧だね!! こっちの方が断然いい!」
興奮気味にそう言う兄に、もうなんでもいいやと好きなようにさせることにした
そんな俺の心中を他所に兄さんは最終確認をしながらちょこちょこ手直しをしていった
兄さんが嬉しそうなのは良いのだが、俺はいつもと違うことに慣れなくて落ち着かなかった
そわそわしていると兄さんにソファーに座るように言われ兄さんの横にストンと腰を下ろした
昨日の話ではお店の予約は13時にしているらしく、2人が来るのは12時頃の予定だ
時刻は10時でまだ時間があるため、テレビで録画してあったものを一緒に見て時間を潰した
そうこうしている間に約束の時間になり、インターホンの音が家の中に響いた
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