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4人とも何にしようかとメニュー表とにらめっこを長いことしていた
「ダメだ~。どれも美味しそうで決まらない」
そう言って机に突っ伏したのは兄さんだった
そして俺の方を見るなり、侑舞はこの間何食べたんだっけ? と聞いてきた
ビーフシチューだよと答えると、それにすると即決した
散々見ておいて最終的にそれでいいのかな?
でもまぁ当の本人はすでにビーフシチューを脳内で思い浮かべてルンルンだ
本人が良いならいいやと俺はスルーすることにした
多賀さんももう決まったようでメニュー表を閉じていた
そうなると後は俺と久我野さんだ
一通りメニューを見終わり一番食い入ったのはオムライスだった
なので今回はオムライスにすることに決め俺もメニューをパタンと閉じた
俺も決めたとなればあと残すは久我野さんだけ
何となく勝手なイメージで即決しそうだと思っていたので、意外と優柔不断なんだなと新たな一面を知った
結局久我野さんは決めきれなかったようで、多賀さんにおすすめを聞いていた
聞いた結果、多賀さんが前回食べていたグラタンにするみたいだ
全員が注文するものを決めたのを確認すると多賀さんが厨房の方に声を掛けに行った
多賀さんが戻ってきて少ししてやってきたのは岸さんではなく、先程岸さんを小突いていた男の人だった
「………………」
「………………」
なぜかお互いに一言も発さず無言が続いた
そんな中、先に口を開いたのは厨房の男の人の方だった
「注文……」
その言葉にハッとしたように多賀さんが話し出した
「こっちが声かけたのにすいません。えーっとナポリタン
とビーフシチューとグラタンと……侑舞くんは何頼
む?」
「あ、オムライスをお願いします」
全員の注文を聞くと男の人は何かを考えるように目を閉じて黙ってしまった
何となくこちらも声を出せず場は静まり返っていた
数分の間そのまま待っていると、男の人は何度か頷いてから目を開けた
「うん。全部作れそうだ。今から作りますので」
どうやら食材があるか思い出していたようだ
早口でそう告げると颯爽と厨房へ戻っていってしまった
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