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冷やりとしたものが触れた感覚によって暗闇から意識が浮上した
何かが額に乗っている気がして手に取ると、それは冷たいタオルだった
どうやらこのタオルが冷やりとした感覚の正体だったようだ
だが、意識がなくなる前に自分でタオルを乗せた記憶はない
水だけ飲んでソファーに横になったはずだ
だとすればこのタオルは兄さんが用意してくれたのだろう。この家には俺と兄さんしかいないのだから、自分じゃないとすれば兄さんしかありえない
まぁ第三者がいるのであれば話は変わってくるのだが
でも冷やりとした感覚で起きるくらいだ、来客があればインターホンの音が家に響くので、その音で目を覚ますはず
となると第三者の説はないだろう
そんなことを考えていた時、キッチンの方から兄さんが顔を出した
「あ、起きたんだね。侑舞体調悪いの? もしかして食事
会で疲れちゃった?」
心配気な顔で兄さんが近づいてきた
「体調は良くないけど、食事会は関係ないよ。のぼせただ
け」
のぼせたことを知った途端、兄さんが水は飲んだの? とか保冷剤持ってこなきゃ! とバタバタし始めた
取りに行こうとしたと思ったら、またこちらに近づいてきて、体温を確認するために額のタオルをどかして手で触れてきた
「ん? ちょっと待って、侑舞髪乾かした?」
どうやら額に触れた際に髪にも触れたようで、濡れていることに気付いてしまったみたいだ
兄さんの問いかけに曖昧に笑った
すると兄さんは答えを察したようで「も~!」と言いいながら洗面所の方へと小走りで向かった
その後、「身体がきついのは分かるけどさ」やら「風邪ひいたらどうするの!?」などと怒りながらドライヤーで髪を乾かしてくれた
ドライヤーの風が心地よくてウトウトし始めたら、兄さんに「まだダメだから!」と言われ、ムス~っとしたら、そういう顔しないの! と怒られた
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