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「はい、終わり」
何とか乾かし終わるまで、襲いかかってくる眠気に耐えた
兄さんが持ってきてくれた水を口に含むと、自分が思っていたよりも水分が足りていなかったようでゴクゴクと飲んだ
保冷剤の冷たさのおかげか目も覚めた
まだ少しボーっとするがこれくらいなら話はできるだろう
「ねー兄さん。何で帰ってくるの遅かったの? 久我野さ
んと一緒だったんだよね? 何かあった?」
俺がそう聞くと兄さんは困ったような笑みを浮かべるだけで何も話そうとはしない
「俺には言えないこと?」
言えないことではないんだけど…………
と呟くと顔を赤くして俯いてしまった
え? 何で赤くなるの!?
困惑していたら兄さんがボソボソと話し始めた
「実は侑舞と碧海と別れた後に久我野先輩とちょっと出か
けたんだよ。ほら、あそこ。小さい植物園」
そういえばあったな植物園……
梅雨の時期にはそこにある紫陽花が綺麗だと地元の人には有名なところだ
俺も1度だけ訪れたことがある
梅雨の時期以外はあまり人が訪れないので、個人的に静かで落ち着くから気に入ってる場所だ
「じゃあ帰りが遅かったのは植物園にいってたからなん
だ。で、慌てたように部屋に駆け込んだ理由は?」
「えっと、久我野先輩から……って言われた」
恥ずかしいのか何なのかモゴモゴと小声で言うから大事な部分が全く聞こえなかった
「え? 何て言われたって?」
「だから、好きだって告白されたのッッ!!!」
聞き返したらそう大声で叫ばれた
あぁ……、本当に告白しちゃったんだ
決めるまでは長いけど決めたら即行動のタイプなんだな
久我野先輩の思い切りの良さに心の中で拍手をしておいた
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