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久我野side
あーあ逃げられちゃった……
まぁこうなるかもと思ってはいたが実際にそうなるとやはり辛い
いくら偏見がなくても自分が当事者となれば話は別だろう
相手は自分と同じ男なわけだし混乱するはずだ
俺だって自分が興味を持っていない相手に言われたらパニックになる自信がある
「ごめんなさいか……」
答えはすぐに出さなくてもいいと言ったのに、返ってきたのは拒絶だった
まさかこんなにあっさり振られるなんて思ってもみなかったよ
湊は優しいから少しくらいは考えてくれると思った
結局俺が見てたのは湊の表面だけだったってことだ
ちゃんと本当の隠された部分に気づけなかったのだろう
当分は引きずってしまいそうだな、なんて自嘲気味に笑うと湊が去っていった方を暫く見つめていた
明日から今まで通りに接することができるように切り替えなくては
せめて湊にとって良い先輩であろう
もしかしたらもう顔さえ見たくないかもしれないけど
もし、避けられるようなことがあったら俺は耐えられるのだろうか? いやきっと無理だろうな
ズキズキと痛む胸をギュッと服ごと握りしめ、何かに耐えるように背中を丸めた
暫くすると口の中一杯にしょっぱさが広がった
微かに嗚咽を溢しながら久我野はコンビニの駐車場に停めた車の中で1人泣いた
辺りには夕闇が迫っていたーーー
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