アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
127
-
湊side
何とか家にたどり着いた
久我野先輩は追ってはこなかったようだ
まぁ当然と言えば当然だが
玄関を開け、靴を脱ぐと俺はリビングには行かず自分の部屋に行くために階段を駆け上がった
部屋の中に入り鍵をかけると湊はずるずるとその場に座りこむ
暫くすると帰りが遅くて心配したのだろう侑舞が俺の部屋までやってきて扉をノックした
でも俺は鍵を開けることはなかった
本当は遅くなって心配をかけたことを謝りたいし事情を説明したい。でも間違いなく今の俺は情けない顔をしているから見られたくないのだ
心の中でごめんとひたすら謝っていると侑舞は自分の部屋に行ってからまた1階に戻っていった
あとでちゃんと侑舞には話そう……
隠し事はしない約束をしたしね
だが、とにかく今考えるべきは侑舞のことではなく告白のことだ
久我野先輩がまさか自分に好意を寄せているとは思わなかった
たしかに何かと気にかけてくれているなとは思っていた
でも、久我野先輩は俺だけじゃなく碧海にだって他の奴らにだって同じように接していた
ただ単純に後輩思いの優しい先輩なんだって思っていた。
先輩が女の人と付き合っているという話も聞いていたし、実際1年の時には彼女さんと仲良くしているとことを見かけたこともあった
もっと言えばサークルの飲み会で自分の彼女だとみんなに紹介していた
だから先輩は男子校出身でもないし普通に女の人が好きなノーマルだと思っていたんだ
いや実際他の人だってそう思っていると思う
別に告白自体は嫌な気はしなかった
他人からの好意はどんな形であれ嬉しいものだ
でも告白、しかも同性からとなれば嬉しいだけでは済まされない
当然だ。これからの人生に大きくかかわってくるのだから
生半可なことは言えない
簡単にYesかNoで答える訳にはいかないんだ
今の自分が男子校で尚且つ高校生であった頃ならまだ良かった。でも俺たちはもう子供ではない。成人した大人なんだ
これから待ってる厳しい現実が分からないほど馬鹿じゃない。だから悩むんだ。
何を選択すべきなのかをーー
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
132 / 159