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普通なら、喜ぶんだろうけどねぇ。と、友人が笑った。
「好かれることが無いなら、より好きで居られる気しない?」
「しない……」
友人が、ちっと舌打ちした。嫌みかよ、ってことらしい。
こいつは、あまりモテたりしないらしいが、俺は好いている。
普段はいいひとに見られるのが嫌いだから、俺みたいなのが嫌いだろうなー、ってひとと、仲良くしてみるのだけど、結果仲良くなってしまうこともあって。
その一人だった。
「なあ」
友人に問う。
「なに」
「俺が好き?」
「はあ、大嫌いだよ」
「そういうとこ、俺は好き」
俺は、名前が嫌いだ。
俺を構成するあらゆるものを愛せない。
「はいはい。早く、僕以外とまともに人付き合いしろよ、砂季」
名前を呼ばれたことに。だから、
いらっとした。
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