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「っていうか、なんでそんな扱いになってるの。ほっとけばいいのに。別に誰も迷惑してなくない?」
「あー、それがね」
「今日、夕飯何かな」
「おい……」
ぺし、と頭をはたかれる。
「痛っ」
「なにか知らないけど。
まぁお兄さんまで知っていて言ってるらしいから」
「ああ、あるよな、そういうの」
俺にもあったなぁ、としみじみと思い出す。
クラスで、知らない人と付き合ってる噂を流されたときだ。率先して横からからかうのは姉だった。
そして家族がそんなことを言うものだから尚更に公認感が出てしまって、行き場をなくした気持ちに苦しんだのだ。
理由を聞くと「面白いじゃん」なのだから、たちが悪くて、好きな人のことも趣味のことも、みんな知られないようにしていたっけ。あの頃は、本当によく自殺しなかったなと思う。
うんうん、と浸っていたら、化倉が面白くない? と聞いてきた。
面白くない。
兄弟に知られたら、人生半分詰んだようなもんだと思ってたぞ。
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