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絶対、渡さない。
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あの勘違いで泣いた日から一週間、歌い手としての活動も絶好調だ。
みんな僕に何があったのか聞かず、今まで通り接してくれた。
そらるさんとは、会わない日はないほど、毎日接している。
前までの日々に戻ったようで、うれしい。
こんなに幸せになっていいのかな・・・
そう不安を抱くときがあるが、今は今を楽しむことにした。
そら「まふまふーー・・」
彼に呼ばれたので振り向いて元気に「はいっっ!」と、返事をする。
今日も今日とで、彼を思う。願いが届く日はまだ先ーーーー・・
というか、来ない可能性が高い。が、それでも彼と一緒にいる時間が
今いる時間が
幸せだ。
天月side
天月「・・はぁ・」
二人しかいないカフェで、大きくため息をつく。
二人しかいないので、声がいつも以上に響く。
その二人とは、僕天月と、彼浦田君のことだ。
浦田「どうした?そんな溜息ついて」
天月「・・・いやぁ、言っちゃったなぁって・・」
何を?、とでもいうかのように首をかしげる浦田。
天月「・・好きって・・・・」
浦田「まだ引きずってんの?あれから、二週間?くらいたったよ」
今思い出すだけでも熱くなっていく。
あぁ、馬鹿だ僕・・。
好きって言っただけならまだしも、盗聴器付けたこと言って、そらるさんに怒って・・・。はぁ・・
天月「嫌われちゃったかなぁ・・」
誰にも聞こえないようにボソッとつぶやく。
残念ながら、彼の耳には聞こえていた。
浦田「そんなので、人を嫌ったりするやつじゃないだろ」
そういって浦田は自分の荷物を持ち、彼が頼んだ飲み物のお金をテーブルにおき、
浦田「酷いくらいお人好しだからな、あいつ。」
「簡単に諦めんなよ」
そう、言って出て行った。
彼なりに励ましてくれてるのだろう。
弱気な僕に。
まぁ、あの時は強気・・だったかな。
盗聴器はあれから捨てた。まふまふとの連絡もあれからしていない。
いつも通りに戻ったんだっけ・・
付き合ったのかな、一回振ってるけど。
あれから何があって戻ったのかは、誰も知らない。
二人だけの秘密・・みたいな。
なんかいいな・・
僕も頑張らなきゃ。
背中を押したのは僕だけど
僕だって・・
好きだから・・・・。
「絶対、渡さない」
ひとりで呟いてた僕がいた。
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